招く

先日、実家での家族的な飲み会の日、

父親は、張り切って大量の海老を料理して多様なメニューを準備してくれていた。

ところが、それらの料理の一品の海老を父親が試食した途端、

顔面に発疹が出て、とても飲み会に出られるような状態ではなくなってしまった。

父はすぐさませっかく料理した大量の海老料理を破棄し、寝込んだ。

結局、飲み会は、父を除いたメンバーでひらいた。

たぶん、海老自体が悪かったのではなくて、疲労が蓄積していた父親の体調が問題だったのだと思う。

何が言いたいかというと、父は元来、人をもてなすことが好きで、張り切り過ぎてしまうということだ。

そういう父親の影響を知らず知らずのうちに受けてきたのか、それとも“血”か、

どうやら僕自身も、自分が自覚している以上に、人をもてなすことが好きらしい。

仕事があまりうまくいっていなくて、気持ちばかりが忙しい(せわしい)週末、

突然、他県在住の友人が帰ってくるというので、飲むことになった。
(とは言っても、極めていつものメンバーなのだが……)

諸処の事情で、「宅飲み」の方がベターだと思い、ウチに招くことにした。

土曜日だけれど、当然出勤なので、適当に何かを買って済ませようと思っていたけれど、

19時過ぎに帰宅し、どうやら“血”が騒いだらしい。

近所のスーパーに走り、アルコールと一緒に“鍋”の材料を買って帰った。

ザッと食材を切り、ザッとキムチ鍋を作り、ザッとソーセージを焼いた。

昔は、宅飲み自体は好きだったけれど、基本的に“招かれる側”専門だった。

飲み会となると誰よりも酔ってお酒を心ゆくまで楽しみたい性質なので、

何かと気を使わなくてはならない“招く側”にはなりたくなかった。

ただ今は、自分が準備し、飲み会の場所を提供する方が、

逆に自分のペースで飲めるような気さえする。

こういうところも、歳をくった証拠だと我なが思ふ。

あとは、いつものように飲んで、笑って、今はただ眠い。

いつものように、楽しい酒だった。とりあえず、それ以上の幸福はあるまい。

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