正直「もう少しなあ~」という部分が多すぎる出来栄えだった。
物語自体の軽薄さも目に付くところではあるが、そこはあえて“王道的”と片付けておいておこう。
やはり問題はビジュアルに尽きると思う。名作漫画「鉄人28号」を今、映像化する意味をもっと考えてほしかった。
一辺倒で工夫の無い構図の羅列、原作が持つ秀逸な昭和的色合いをまったく見せない造形、映画全体の中途半端な時代の雰囲気……。
製作費をかけるという以前に、手間をかける部分、工夫をすることが可能な部分が随所で露呈し、残念という他ない。
エンディングで流れる原作漫画の一コマ一コマの方がよっぽどスリリングだ。
それでも何とか見せるのは、鉄人28号というキャラクター自体が持つ揺るぎないパワーのおかげだろうか。
「鉄人28号」
2004年【日】
鑑賞環境:映画館
評価:3点
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