「名探偵ポワロ 第三の女」

2010☆Brand new Movies

 

「第三の女」と聞くと、いかにも謎に満ちあふれた女の存在をイメージしてしまうが、実際に描かれる設定は、ルームシェアをする若い女性たちの中の“3番目”の女に、同じアパートに住む老婆の殺人疑惑が生じるというもの。

ミステリーのとっかかりはとてもミニマムだ。しかし、名探偵エルキュール・ポワロが事件に絡み合う人間模様を追求していくにつれ、過去のトラウマ、莫大な遺産相続と人間の隠された思惑が拡大していき、「真相」が謎の中に入り込んでいく。

このところ3作品連続して英国のテレビ映画シリーズ版“ポワロ”を観ているが、やはりとにもかくにも、デヴィッド・スーシェのポワロぶりが抜群だ。

デヴィッド・スーシェが演じるポワロの存在感が凄いのは、事件を解き明かしていく様、事件を解き明かした後の様に、何とも言えない愁いを携えているところだと思う。
物語においてメインに描かれるのはもちろん「事件」だが、決してそれに映画全体が支配されるわけではなく、要所を主人公である名探偵がしっかりと押さえている。それを成しているのが、デヴィッド・スーシェの存在感だと思う。

「名探偵ポワロ 第三の女 AGATHA CHRISTIE: POIROT The Third Girl」
2008年【英】
鑑賞環境:BS(吹替)
評価:7点

コメント

  1. 2010-11-29

    バリバリ現代の作品なのに、背景や小道具が徹底的にレトロ。これはクリスティー作品の映像化では「外せない」ポイントだと思います

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