「名探偵ポワロ 鳩のなかの猫」

「最も原作に近いポワロ」と評される英国人俳優デヴィッド・スーシェが、エルキュール・ポワロを演じるテレビ映画。こういうレベルの高いテレビ映画をきちんと放映するNHKは、色々問題はあるのだろうが、流石だと思う。

名門女学園内で起こった殺人事件という設定を見て、「古畑任三郎」でも同じような話があったなーと思ったが、もちろんヒントを得たのは三谷幸喜だ。

女だらけの女学園で巻き起こる連続殺人において、容疑者も被害者もすべて勤務する女教師たちという設定が先ず面白い。
それぞれくせがあり、何やら秘密を抱えている女教師たちの人間模様を描いた序盤を観ているだけで、まだ殺人なんて起こっていないにも関わらず、ぞくぞくと恐ろしさを感じた。

ミステリーは、某国のクーデターまでを含みつつ意外な程に膨らんでいく。
ただそれが決してあざとく展開するわけではなく、あくまで学園内の人間関係をベースに、一つの殺人事件としてまとまっていく描写に、原作の上質さを垣間みた気がする。

「名探偵ポワロ 鳩のなかの猫 AGATHA CHRISTIE: POIROT Cat Among the Pigeons」
2008年【英】
鑑賞環境:BS(吹替)
評価:7点

コメント

  1. 名探偵ポワロ「鳩のなかの猫」

    原作小説からの改変ポイントがうまく「布石」になっていて楽しめました。映像化のためにサスペンス色を強めた演出が奏功しましたね

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