愚直なまでに強い信念とプライドによって自らの「道」を切り開いていく二人の男。光と影、相反する人生が交錯する時、壮絶な“生き残り”への戦いが始まる。
リドリー・スコット×デンゼル・ワシントン×ラッセル・クロウ、アカデミー賞の常連揃いのなんとも「確実」な組み合わせだったと思う。そして、実際素晴らしい映画に仕上がっている。
現役俳優を代表する二大アカデミー賞俳優の激突は凄まじく、「悪」を演じたワシントンも、「正義」を演じたクロウも素晴らしい存在感を見せてくれる。
両雄の激突を演出するリドリー・スコットの演出も冴え渡る。
リドリー・スコットという映画監督がスゴイのは、紛れもない「名匠」でありながら、映画製作における身のこなしの「軽さ」だと思う。
絶対的な説得力をもつカメラワークと演出力を根底に据えながら、描き出される世界観は常に新しく、「野心」に溢れている。
そういう巨匠であると同時に持ち合わせる「新進性」が彼を映画界のトップにのし上がった理由だろう。
密度の濃い男たちが織りなす密度の濃い映画世界を堪能できた。
「アメリカン・ギャングスター American Gangster」
2007年【米】
鑑賞環境:映画館
評価:9点
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