年老いたプレイボーイが、突然発覚した息子の存在を確かめるために、かつてのガールフレンドの元を訪ね歩く一風変わったロードムービー。
かつてはブイブイと言わせた年老いたドン・ファン(女たらし)を、ビル・マーレーが相変わらずのとぼけた雰囲気で哀愁たっぷりに表現してみせてくれる。
ビル・マーレーの独特の存在感と発される軽妙な台詞を感じるだけでも、楽しめる要素はあるのだが、ストーリー的にはあまりに淡白すぎる印象を受けざるを得ない。
年老いたプレーボーイが、過ぎ去った時間を共有したガールフレンドたちと再会することによって得たものは何だったのか?
そういう物語の核心的な部分は今ひとつ伝わってこない。男と女の会話に、真が込もってないというか、それぞれの「感情」の本質が見えてこないのだ。
曖昧で情感的な世界観がジム・ジャームッシュ監督らしいといえばそうで、好きな人にはたまらない映画世界なのかもしれないが、ハマることができなければ、その先のどうしようもない「退屈感」は避けられない。
「ブロークン・フラワーズ BROKEN FLOWERS」
2005年【米・仏】
鑑賞環境:DVD
評価:5点
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