「テレフォン」“任務遂行に徹するブロンソンのダンディズム”

2024☆Brand new Movies

評価:  7点

Story

アメリカの主要軍事施設を爆破するという、ソビエトの恐るべき計画にKGBが付けたコードネーム、それが“テレフォン”。スターリン独裁体制の時代に生まれたこの計画。ソビエトの選りすぐりの工作員50人が、薬を注入され、催眠術をかけられ、破壊工作の極秘任務を帯びて、アメリカ全土へと送り込まれた。だが当の50人の工作員ですら、自分たちが自爆する運命にあることは知らなかった!計画は正式に中止されたにもかかわらず、今や何者かの手によって爆破が次々と決行されている。ソビエトは是が非でも犯人を始末しなくてはならない。核戦争の危機を回避できるのはチャールズ・ブロンソンただ1人。彼に協力するのはKGBの美しい女スパイ。疾走感と緊張感がみなぎり、アドレナリンが駆け巡る。 Filmarksより

 

Review

チャールズ・ブロンソンが、ソ連のスパイを演じるというキャスティングが的確だったかはさておき、単身アメリカに乗り込んで、自国が生み出してしまったテロリストを阻止するために暗躍するというストーリーはユニークでエキサイティングだった。
何十年も前に深層心理に植え付けられた「命令」が、催眠術によって“発動”されるという設定に対して既視感があったが、「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」でも同様のアイデアで、ウィンター・ソルジャーを操っていたな。多分本作が元ネタなんだろう。

米ソ冷戦下において、ソ連のテロリストを米国の諜報員が核戦争勃発を防ごうと奮闘する映画は多々あるけれど、ソ連側が自国のスパイを米国に潜り込ませて、秘密裏に危機を防ごうとする展開が新鮮だった。
ソ連側のスパイらしく、任務遂行のために時に冷徹に不安因子を消し去っていく様も印象的で、その部分においてはチャールズ・ブロンソンの無骨な存在感が合っていたと思える。

リー・レミックが演じる在米KGB局員との絡みも良い。アメリカ文化に馴染むおしゃべりな彼女のことを主人公が疎ましくぶっきらぼうにあしらったり、彼女自身も主人公を暗殺する密命を受けていたりと、表裏の感情が入り交じるやり取りが興味深く、また別の緊張感を生んでいた。

ストーリーテリングとしては、下手すればもっと煩雑で分かりにくくなりそうな展開をコンパクトにまとめられていて良かった。そのあたりは、ドン・シーゲル監督による娯楽映画職人としての技量が存分に活かされていると思う。
ソ連側(KGB)独特の冷酷さや非人道的な雰囲気も、それが正しいかどうかは別にして、うまく表現できていたとも思う。

その一方で、米国側(CIA)の描写はややおざなりで物足りなさを覚えた。
CIA側はコトの情報を掴みつつも、結局何も影響力を及ぼすことなく解決してしまうので、コトの重大性のわりにとてもミニマムな範囲で収束してしまったことは否めない。
この時代としてはとても先進的に、コンピューターを“相棒”のように駆使して分析をするCIAの女性局員など、ユニークなキャラクターは存在していたので、彼女たちがもう少し直接的に主人公やメインストーリーに絡む展開が欲しかった。
あと、時代的に致し方ないとはいえ、ソ連本国の描写においても人物たちがすべて英語を話すのには、いささか興が冷めたことも否定できない。

とはいえ、70年代の娯楽映画としては、今観ても十分に見応えのあるエンターテイメントだったので、現代の社会や世界情勢の設定でリメイクしても面白いのではないかと感じた。
本作では催眠術による命令発令の手段が「電話」しかない限定性が面白味でもあったが、ありとあらゆる通信手段が存在する現代においてもまた新たな展開が考えられると思う。まあその場合タイトル変更は必至となるが。

任務終了後、米ソ両国から命を狙われる自らの状況を悟って、どちらの体制にもなびかずに、女とモーテルに向かうラストシーンも良い。ダンディズム!

 

「メカニック(1972)」
リメイク作品であるジェイソン・ステイサム版を今年観たばかりだった。ジェイソン・ステイサムの映画には珍しいくらいに“上質さ”を伴ったアクション映画だったので、チャールズ・ブロンソン主演のこのオリジナル版も非常に気になっていた。…more

 

Information

タイトルテレフォン TELEFON
製作年1977年
製作国アメリカ
監督
脚本
撮影
出演
鑑賞環境インターネット(字幕・U-NEXT)
評価7点

 

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画像引用:https://www.imdb.com/title/tt0076804/

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