「search/#サーチ2」 “Googleアカウントのパスワード変更はこまめにしよう”

スバラシネマReview

評価:  7点

Story

ロサンゼルスから遠く離れた南⽶・コロンビアに旅⾏中に突然、⾏⽅不明になった⺟。⺟を探すデジタルネイティブ世代の⾼校⽣の娘ジューン。検索サイト、代⾏サービス、SNS・・・使い慣れたサイトやアプリを駆使し、⺟の捜索を試みる。スマホの位置情報、監視カメラ、銀⾏の出⼊⾦記録など、⼈々のあらゆる⾏動・⽣活がデジタル上で記録される時代に、⺟は簡単に⾒つかるはずだった――。事故なのか事件なのか?何かがおかしい・・・。不可解な出来事は SNS で瞬く間に拡散されて憶測を呼び、国境を越えて⼤きなトレンドになっていく。BUZZ に翻弄される中、真相に迫ろうともがくジューン。そこは“秘密”と“嘘”にまみれた深い深い闇への⼊り⼝だった・・・。 Filmarksより

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Review

インターネット配信による新作映画の視聴がどれだけ普及しようとも、映画は劇場のスクリーンで観るべきで、それが幸福な映画体験をもたらす信じていることに変わりはない。けれど、前作「search サーチ」に続き本シリーズだけは、映画館ではなく自宅で、しかも自室のPCのモニターで鑑賞することが、特異な映画体験をもたらすと思う。

前作に続き、主人公が駆使するラップトップPCやスマートフォンやスマートウォッチの画面を、ほぼ全編に渡って映し出し、ストーリー展開が繰り広げられることでサスペンスが加速していく。
自分のPCでこの映画を観ていると、あたかも主人公のPCモニターをそのままハッキングして観ているような感覚に陥り、この映画特有の“臨場感”が増していく。

更に本作では、ある人物が実際に主人公のモニターをハッキングしているくだりがあったり、前作や本作の顛末がドラマ化されたらしいNetflix作品を主人公が観ていたりして、まるで二重三重に映し出される合わせ鏡のように、現実と映画世界、更にその先のドラマ世界が果てしなく繋がっているような感覚を覚える。

各種インターネットデバイスや、SNS、様々なインターネットサービスを駆使して、18歳の主人公は、母親の失踪と、その裏に隠された真実を追求していく。
前述の特異な映画的手法が功を奏して、主人公と同じ目線で、我々観客も不安を掻き立てられ、たどり着く真相に驚くことができる。

序盤から中盤の展開的には、成功した前作の二番煎じのようにも見えがちだけれど、用意されていた顛末には、前作とは異なるテーマ性がしっかりと備わっており、“パート2”として相応しい在り方だったと思う。
何よりしっかりと驚くことができた時点で、シチュエーションスリラーとしては及第点だろう。

まあよくよく考えてみたならば、主人公の母親は、もう18歳になる娘に対して事前にしっかりと“自分たちのこと”を説明しておくべきだと思うし、それが新しい恋人との再婚間近というタイミングであれば尚更だろう。
(そもそもこの母親は男を見る目が無さ過ぎるし、学習能力が無さ過ぎるというのは野暮なので言わないが……)

この手のシチュエーションスリラー特有の強引なストーリーテリングは否定できないが、日常的にGoogleアカウントで様々なサービスを利用している現代人としては、危機管理の必要性を感じずにはいられない映画だった。
定期的なパスワード変更は大事だけれど、いざという時に近親者にも見当がつかないのも危ういな。

 

「search/サーチ」<8点>
<<ネタバレあり>> 公開時から話題で、劇場で観たかった映画の一つだったが、スクリーンで観られなかったことはむしろラッキーだったかもしれない。 多くの場合、この表現は映画が“面白くなかった”ことを意味するが、この映画は違う。…more

 

Information

タイトルsearch/#サーチ2 MISSING
製作年2023年
製作国アメリカ
監督
脚本
撮影
出演
鑑賞環境インターネット(字幕・U-NEXT)
評価7点

 

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画像引用:https://www.imdb.com/title/tt10855768/

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