欧州最優秀選手賞、FIFA最優秀選手賞(3回)、98ワールドカップ優勝、2002チャンピオンズリーグ優勝……誰も疑う余地がなく紛れもない「世界最高サッカー選手」の現役引退試合が、“ワールドカップのファイナル”であるということ、もうそれだけで確固たる「伝説」である。
そして、先制点となるPKを決め、ハイレベルのせめぎ合いを経て延長戦、PK戦目前……もはやチームが勝とうが負けようが、このワールドカップは「彼」のものになることはほぼ間違いなかった。
しかし、「サッカー」という現実は、如何なる時も“予定調和”を許さなかった。
延長戦後半5分。このタイミングで、「ジネディーヌ・ジダン」が暴力行為による“一発退場”となるなど誰が予想しただろう。
サッカーは何が起こるか分からない。
そのことを“ファンタジー”という要素で圧倒的に見せつけてきた選手によって、また別の要素において見せつけられるとは。それこそまさに「何が起こるか分からない」ということ。
もちろんそれは大いなる「失望」ではあったけど、これがサッカーである以上、それすらも仕方がない。
そして「イタリア優勝」。この結果自体は、全日程通してハイレベルなサッカーが繰り広げられてきた今大会に至極ふさわしいものだと思う。
そう言えるほど、今回のイタリアには隙の無い「強さ」があった。伝統的で圧倒的、そして絶対的な「守備力」。更に今回のイタリアにはそれに劣らない魅力的な「攻撃力」が備わっていた。総合的に見て最も完成されたチームであったと思う。
この「偉業」を胸に、国内リーグの「大問題」を乗り越えてほしいものだ。
まあとにかく、長かったドイツワールドカップは終わった。
強豪国勢が順当に勝ち抜き、レベル通りの質の高いサッカーを展開し、それぞれの試合にドラマをもたらした近年稀に見るとても素晴らしいワールドカップだった。
開催国のドイツが下馬評を蹴散らして3位という好成績を残したことも、盛り上がりに拍車をかけたと思う。
我らが日本代表の奮闘が、もう相当前のことのように感じてしまうのは寂しい限りだが、それも世界サッカーの頂が、ある意味「幸福」なほどに高いということの現われだろう。
希望、切望、願望、失望……あらゆる「望」を凌駕してサッカーは続く。

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