台風が近づいている。珍しく、松山市内も風雨が強かに吹き付ける中、原付で帰った。
帰宅ししばらくして、サッカーの日本代表戦が行われていることを思い出し、
後で録画を最初から観るか迷ったが、まだ前半途中の時間帯だったので生中継を途中から見始めた。
日本対北朝鮮の試合は、前半30分を過ぎていた。スコアは0-0だった。
実況を聞くところによると、日本代表が優勢に試合を運んでいるらしい。
まあ当然のことだと思った。
先日の“日韓戦”の記憶も新しいところなので、今の日本代表の実力と勢いのまま、すぐにでも先制点を得られるだろうと思いつつ、TV観戦を始めた。
北朝鮮は決して格下のチームではないということを認識しつつも、日本が2点くらい先行したら、スポーツクラブに行こうなどと考えていた。
がしかし、想定に反してなかなか先制点を得られない。
劣勢なわけではない。実況と解説の通りにゲームを支配しているのは明らかに日本代表だった。
スコアレスのまま後半戦も20分を過ぎた頃、覚えのある“緊迫感”に包まれてきた。
そのとき初めて、これがどういう試合なのかということに気付いた。
そうこれは、ワールドカップ予選の初戦なのだ。
世界ランキングも過去の戦績も関係ない。
対戦相手がどこであれ、「勝利」が簡単であるわけがない。
それまでどこか安閑として観戦していた気分が消し飛び、
画面越しに繰り広げられている試合における「勝利」の価値を4年ぶりに思い出した。
そうこうしている間に時間は後半40分を過ぎた。
傍らでは愛娘がぐずりだしそうになったので、彼女を抱きながら立ち上がって観戦を続けた。
光が強い方に意識が向いているだけだろうが、愛娘もTVの画面に首を傾け釘付けになっている。
ついにロスタイムに入った。
何故入らない?という日本代表のシュートが連発され、このもどかしさもワールドカップ予選ならではだなと思った。
アジア3次予選におけるホームでの引き分けは、「敗戦」に等しいということの覚悟を以前ならし始めてもいい頃だったが、
後半ロスタイムも残りわずかになっても、「何かが起こる」という感覚は消えなかった。
結果、日本代表は最後の最後のチャンスをものにして、勝った。
眠りそうな愛娘を抱えていたので、努めて興奮を抑えたつもりだったが、側にいた愛妻には怒られた。
解説をしていた岡田さんじゃないが、日本代表にとって「最高の勝利」だったと思う。
上り調子の代表チームといえど、ワールドカップ予選の経験の乏しい若いチームにとって、
その初戦の他には無い厳しさを感じつつ、勝利をもぎとったことは、何にも代え難い勇気となったと思う。
まだまだ先は長いが、幸先の良いスタートを切ったことは間違いない。
自国の代表チームが、勝たなければならない試合での勝利によって生まれる興奮の素晴らしさを改めて感じつつ、
益々風雨が強まる中、スポーツクラブに向かった。
という数時間前のことを思い出し興奮に拍車がかかる、一人飲み佳境の丑三つ時。

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