若い二人が満開の桜を見上げた瞬間、桜の木の後ろを電車が過ぎ行く。
擬音は描かれていないけれど、パァーンッという音が伝わってくる。
いつも、鳥肌が立って、それと同時に涙腺が緩む。
浅野いにおの漫画「素晴らしい世界」のラストシーン。
この漫画を初めて読んでから8年くらい経つ。
登場する人物たちの誰に感情移入するかということが、少し変わってきていることに気づき、
我ながら歳をとったんだなと思う。
ただ、読み終わって、
「生きる」ということにほんの少し前向きになれる感覚は変わらない。
今さら、そんなことにふらついている場合じゃないことは分かっているけれど、
“バランス”はちょくちょく悪くなる。
だからこうやって軌道修正が必要。
初めて読んだ時、「悔しい」と思い、すぐに映画化されるだろうと思った。
そういえば、まだ映像化の話は聞かない。
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素晴らしい世界 (2) (サンデーGXコミックス) (2004/05/19) 浅野 いにお |
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