昨日、大雨が降りつける車内で、買ったばかりの「にこたま」の最新巻を読んだ。
読み終わって、粘り気を感じる程に大量の雨水が流れるフロントウィンドウをしばらく呆然と眺めた。
29歳の“オトナ”の男女を描いたこの漫画は、ようやくほんとうの意味で“コドモ”を卒業する微妙な年頃を、
飾り気無く生々しく、でも可愛らしく切り取っている。
たぶん、この漫画をもっと前に読んでいてもピンとこなかったろうし、
もっと後に読んでも今のような身につまされるような感情は生まれなかったろうと思う。
自分が、30歳を目前に控えた今この時期に、この漫画が連載されていることを運命的にすら思う。
気がつけば、嫌でも分別がつくようになっていて、大概の場合において間違った言動はしないだろうと思う。
ただ、だからと言って自分自身の生き方に自信など微塵も持てなくて、右往左往する。
その自身の有様を見て、とても動揺する。
それでも平気なふりして生きていかなければならないと、自分に言い聞かせる日々。
無知でだからこそエネルギーに満ちあふれていたもっと若い頃に戻りたいとも思うし、
焼き白子を食べながら日本酒を飲むというような幸福を堪能出来るようになった今に満足することもある。
仕事がうまくいっていてもいなくても、結婚していてもいなくても、子供がいてもいなくても、
まだまだ、定まらない。定まるわけがない。
そんな年頃、30歳まであとちょうど2ヶ月。
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にこたま(3) (モーニングKC) (2011/08/23) 渡辺 ペコ |
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