まわりみち

どこかの宗教団体(っぽいもの)に所属していたグループの人たちに、

その教えの中の生きる上での理想論を、力説されたことがあった。

平たく言えば、勧誘されていたのだと思う。

彼らが言っていることは、概ね正しいとは思った。その団体が掲げる方針を否定はしなかった。

でも、だからと言って、そこに属そうとは思わなかった。

理想はどこまでいっても理想で、人間は決して「完璧」になんてなれないし、なりたくもないと思った。

そして、そういう当たり前のことを、いかにも尊大な教えとして伝えてくることが、どうしようもなく浅はかに思えた。

人間として、生きていく以上、傷つきもするし、他人を傷つけることもある。

そうでないことに越したことはないのかもしれいないけれど、

そういうことが全く無いからと言って、他のより良いものが得られるとも思わない。

自分のことが嫌になったり、はがゆく思ったり、時には自身を憎みたくなるようなことは多々ある。

ただ、その不完全さこそが、実は最も必要なことで、人間の最大の価値なんじゃないかと思う。

安直に「完璧」を求めるよりも、「不完全」さを認めて生きていくことの方が、よっぽど意味のあることのように思えた。

というようなことを、7年前、日本でワールドカップがあった年に感じた。

ということを、「ラウンダバウト」という漫画を読みながら、ふと思い出した。

まっすぐに完璧な道筋を通る必要なんてどこにもなくて、

“まわりみち”を繰り返すくらいで丁度いいんじゃないかと思う。

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渡辺 ペコ

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生きるってことに、正解も不正解も実際ない。
ある程度悩んで、ある程度適当に生きていければ、素晴らしいんじゃないかと思う。


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