橋大輔のフリープログラムの演技は、まさに彼自身の「道」を象徴するものだったと思う。
金メダル獲得に向けて、満を持して挑んだフリー。
頂点に立つためには「絶対必要」と、かたくなに挑戦した4回転ジャンプは転倒。
だが、彼の真骨頂はそこからだったと思う。
印象的だったのは、転倒の後の彼の表情が終始笑みに溢れていたことだ。
それは、選手生命の危機から復活してきた男の紛れも無い強さだったと思う。
失敗から始まった栄光。
4回転に挑まなければ、もっと余裕でメダルはキープできただろう。
しかし、4回転がもし決まっていれば、金メダル獲得の可能性は充分にあった。
そして、4回転を挑まずに、銅メダルを獲得したとしても、彼は「誇り」を得ることが出来なかったろう。
橋大輔は、見事にその「道」を歩みきった。
それは、単に銅メダル獲得という結果ではなくて、
失敗や挫折も含めて、彼がフィギュアスケーターとして魅せたパフォーマンスに、
すべて溢れ出たものだったと思う。
素晴らしい。
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