凡人VS凡人

昨夜に引き続き、スポーツ選手についての話。

スポーツ選手というものは、言動とそれに対する結果によって、往々にして批判にさらされる。

態度が悪ければ非難され、結果が出なければもっと非難される。

それはその選手に“スター性”があればあるほど、ふとしたことで増大し、爆発する。

ただ、ずうっと非難の的にされていたとしても、

一夜のベストパフォーマンスで、観衆の評価は一転する。

それも優れたスポーツ選手に与えられた運命だと思う。

昨夜のWBCフライ級タイトル戦、内藤大助VS亀田興毅。

勝負事において、両者にとって“ベスト”なんて試合は、実際有り得ないのだろうけど、

少なくとも、観ている側にとっては、限りなくそれに近いベストファイトだったと思う。

強く、負けないボクシングをして、若い挑戦者が王者を圧倒した。

過去の因縁なんて関係なく、この一戦だけを見てそいう結論づけるべき試合だったと思う。

それぞれのキャラクターが個性的なので、

メディアによっていたずらに飾り付けられている両者だが、

両者は二人とも、ボクサーとしては、「天才」なんてものとは程遠い「凡人」だと思う。

凡人と凡人同士が、

それぞれに人生の苦難と研鑽を積み、ボクサーとしての頂点でせめぎあった様こそがすべてであり、

この一戦が、予想を遥かに越えた質の高いスポーツイベントとなった最大の要因だと思う。

そういうことを見せつけてくれた二人のボクサーに、それぞれ賞賛を送りたい。

3年前、「茶番劇」によって、ボクシングというスポーツ自体の価値を滑落させた。

同じボクサーが、自らのプライドと家族に対する誇りによって、見事返り咲いて見せた。

そして、再び「ボクシング」を熱くさせた。

それは、スポーツ自体が持つ、絶対的なパワーであり、とても大切な価値だと思う。

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