スポーツという勝負事において、「紙一重」という状況ほど、
エキサイティングで、また残酷なことはない。
昨日のフィギュアスケート全日本選手権最終日、まさに「紙一重」のドラマに溢れていた。
五輪代表の残り2枠を争う女同士のせめぎ合い。
実績と能力が頭一つ抜けている浅田真央の実質的な“内々定”の状況を踏まえると、実際残されている枠数は一つ。
それを、トリノ五輪以降、浅田、安藤らと共に女子代表を守り続けてきた中野友加里、
そして、摂食障害という選手生命の危機から返り咲き、一気に代表候補まで登り詰めた鈴木明子、
同い年の二人で争う構図となった。
中野友加里の意地、鈴木明子の勢い、どちらが勝るか。
勝ったのは、鈴木明子だった。
中野は意地を見せ、鈴木は勢いを見せた。どちらともがベストパフォーマンスだったと思う。
だが、勝負事はどんなときも残酷であり、だからこそエキサイティングだ。
勝負の分岐点は、大きなミスなく安定したスケーティングにまとめてみせた中野に対し、
思わぬ転倒の後に更に勢いのあるスケーティングをみせた鈴木の逆境にもめげない爆発力が勝ったというところだと思う。
最終的なポイント差は、僅か「0.17点」。まさにまさに「紙一重」。
個人的には、4年前から中野友加里を応援してきたので、非常に残念だったが、
スポーツファンとしては、満足し、納得できる結末だったと思う。
五輪代表を勝ち取った鈴木選手には、バンクーバーでもその勢いを見せつけてほしい。
そして、五輪後の世界選手権代表となった中野選手には、再び持ち前の意地を見せつけてほしい。
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