「ミッドナイト・イン・パリ」

2012☆Brand new Movies

 

主人公の婚約者を演じるレイチェル・マクアダムスの腰のラインが、さりげなくも妙に色っぽい。他にもマリオン・コティヤールをはじめ幾人か女優が出てくるが、どの女性もそれぞれ印象的に映る。
ウッディ・アレンという人は、相変わらず女好きで、だからこそ女優の魅力を最大限に引き出してくる。数々の女優が、彼の映画にこぞって出演したがるわけだ。

このところのウッディ・アレンはヨーロッパづいているらしく、ヨーロッパの各国の主要都市を舞台にした作品を連発し続けている。バルセロナに続いてロンドン、今作のパリ、来年にはローマを控えているらしい。
まるで一年ごとにバケーションで転々としながら、そのついでに「映画でも撮っておくか~」的な感覚でさらっと作っているようにも見える。ただ、そのくせ集まるキャスト陣はあまりに豪華で、作品自体もしっかり面白いのだから小憎らしい。

そのウッディ・アレンらしい小憎らしいほどの軽妙さが、この映画にも溢れている。
結婚を控えた主人公は小説家志望の売れっ子脚本家。敷かれた人生の行く末に揺らぎつつ、深夜のパリを徘徊する。そこに待っていたのは、憧れ続けた1920年代のパリ。
めくるめく懐古の深みの中に陥りながら、主人公は自分の進むべき道を見出していく。

タイムスリップものなのか、ファンタジーなのか、はたまた主人公の妄想劇なのか。
決して映画の世界を一方向に定めず、敢えてどうとでも捉えられる曖昧な世界観を構築し、夜な夜な徘徊する主人公の心理の如く“ふらふら”としたストーリーテリングが絶妙。

ウッディ・アレンの遊び心に促されるままに、束の間、主人公同様に古き良き深夜のパリを堪能すべきだろう。

 

「ミッドナイト・イン・パリ Midnight In Paris」
2011年【米・スペイン】
鑑賞環境:DVD(字幕)
評価:7点

コメント

タイトルとURLをコピーしました