愚かしい介入(全日本排球)

昨今、スポーツの様々な競技・大規模大会に対して、マスメディアの暴力的な介入が問題視されている。

今年のワールドカップの日本戦における国内広告代理店の介入、先日の亀田何某の世界タイトルマッチにおける某キー局の介入などは記憶に新しいところだろう。

それら一連の蠢き(うごめき)は、スポーツの醍醐味とは程遠く、例外なくそのスポーツ自体の価値を低減させ、懸命に競技生活を続けている選手たちを辱める。

そういう甚だ愚か過ぎるメディアの介入が、いよいよ深刻化してきた競技がある。

バレーボールである。

全日本バレーボールには、以前からメディアの介入が色濃かった。もう通例化しつつさえあるが、全日本の試合がテレビ局と某アイドル事務所の過剰なまでの演出によってすっかり“ショーイベント化”してしまっていることは周知の事実だろう。

バレーボール経験者&愛好者とって、一連の過剰演出は決して歓迎できない不愉快なものだった。

ただ、バレーボールがマイナー競技であることも事実。テレビ放映をするならば、ある程度の演出は仕方がないことは、それが効果的かどうかは別としてギリギリ理解できた。

が、しかし、いよいよその“介入”は「不愉快」では済まないレベルまで達してきている。

今、「女子バレーボール ワールドグランプリ2006」という大会が開かれている。(まあこの大会自体、モロにメディアの息がかかっていそうな胡散臭い大会ではあるのだけれども。)

開幕から日本の6試合あまりを観てきて感じたことだが、「選手の起用」にまで明らかなメディアの「意思」の反映を感じてならない。

でなければ、まともな「采配」をしているとは思えないのだ。

人気選手の“アイドル化”や多分に演出を含んだ“スター選手化”はこれまでにもあった。が、今大会では、明らかにコート上に立つプレー選手の“固執化”が目立つ。

ただ監督が無能であるだけの話なら、いくらかマシでシンプルな話だが、どうやらそうではないらしい(監督が有能でないことは確かだが)……。

執拗な“介入”を繰り返すメディア側の功罪はもちろん大きいが、それに応えるバレーボール協会自体もどうしようもなく愚かだ。

全日本バレーの(特に女子)そのレベル自体は、一時期の深刻な低迷時と比べれば明らかに“上り調子”である。

サッカーのオシム監督じゃないが、“考えるプレー”そして“日本らしいプレー”を真摯に突き詰めれば、確実に世界に太刀打ちできる。そう言えるほど、状況に応じた“ベストな起用”さえすれば、選手の人材的には恵まれてきている。

だからこそ殊更に、ただ「勝利」に執着することができていない日本バレーが、愚かしくてならない。

バレー経験10年、バレー観戦歴20年。サッカーや野球を中心にスポーツは全般観るが、文字通り一挙手一投足までそのプレーに“楽しみ”を見出せるのは、やはりバレーボールだったりする。故に憤りは際限なく膨らんでくる。

効果的にメディアを利用し、バレーボールというスポーツ自体の“浸透”を狙うことはいっこうに構わないと思う。

が、メディアの安直な利益追求と宣伝戦略に一方的に呑みこまれ、残せるはずの「結果」を残せず、その先に一体何が残るというのか。


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