予想外の要求

もうそろそろ通っているスクールも終わるので、いよいよ就職活動に本腰を入れようとしている。

基本的にはデザインソフトを取り扱えるようになっているので、なんとかなるとは思ふ。いや、思いたい。

んで、実は今週頭に既に一社(市内のデザイン事務所)に履歴書を送っていて、今日予想よりずっと早く面接についての連絡がきて焦ってしまった。油断…。

しかし、本当に焦らされるのは、そこからだった……。

相手側が電話口で言ってきたのは次の二つ。

・来週の月曜日17時から面接をします。

デッサンを2点ほど持って来てください。

……デ、デッサン?

まったく予想していなった要求に一瞬思考が止まってしまった。

はっきり言ってデッサンなどしたことは無い。美術部だったわけでも、美術系の学校を経たわけでも当然ない。大体絵を描くこと自体、嫌いではないけれど、決して得意ではない、いや苦手だ…。デザイン事務所に履歴書を送ったのは、デザインソフトが扱えるからである。

なんとか気を保ち、おそるおそる言う。

「あの~、デッサンなんてものはやったことないんですが……」

「えっ……?」と、向こうの“呆れ”すら混ざっていそうな戸惑いが伝わってきた。「少々お待ちください」、どうやら上司に相談しているらしい。

こっちとしても「諦め」を感じながら、待つこと数十秒……すると、

「経験がなくても構わないので、とにかくデッサンを描いてきてください」とのこと。

「あ、はい…」大いに戸惑い焦りつつ電話を切った。

経験すらないのに、どうやってデッサンを描けというのだ??絶望的ですらある疑問に包み込まれた。

まあこうなってしまったからには、やったこともない「デッサン」をやってみるしか仕方がないわけで。スクールが終わるなり、とりあえず図書館に行って、「デッサンの基礎」などが出来るだけ“分かりやすそう”に記された本を物色。次は文房具屋に行って、数年ぶりに鉛筆(2本)と消しゴム、そしてスケッチブックを買って、帰った。

まだ何も手をつけてはいないが、どうなることやら…。

まあ考えてみれば、デザインやそれに準ずる職場に就職しようとするわけだから、曲がりなりにも何かを描くことくらい出来なければどうしようもないかもしれない…。それについては前々から思っていたので、じきに勉強はしたいなと考えていなかったわけではないのだけれど、まさかこう早急にある程度モノにしなければならないとは……。

とにかく、出来る出来ないはべつとしてやらなきゃ仕方ないので、今夜から励まなければならない。

まったく…今夜からワールドカップ開幕だってのにー。

救いは日本初戦の前に面接があることか…日本戦の翌日なんかに面接があった日にゃ気が気でなくなるところだった。

冥土

お前の描いたメイドさんの絵上手かったじゃん。メイドさんにほめられたじゃん。

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