「ショーン・オブ・ザ・デッド」

2012☆Brand new Movies

 

エスプリの効いた思わずニヤリとしてしまうラストシーンを観て、「ゾンビ映画」は、詰まるところ“コメディ”なんだなと思い知った。

基本的にスプラッター描写は苦手なので、ジャンルとしてホラー映画は避けがちだし、「ゾンビ映画」も敬遠してきた。
が、よく考えれば、ジョージ・A・ロメロら著名なゾンビ映画作家が生み出した直接的なゾンビ映画は観ていないものの、蓋を開けてみればほぼ完全にゾンビ映画だったというような映画は多々あり、当然ゾンビが襲いくる映画も多く観ている。
(「バイオハザード」しかり「28日後」しかり、「アイ・アム・レジェンド」も想定外に完全なゾンビ映画だった……。)

要するに、“ゾンビ”というもの自体が、もはや娯楽映画における確固たるアイコンの一つなのだろうと思う。
そういう思いもあり、もう少し積極的に「ゾンビ映画」というジャンルにも触れていこうと思い、それでもいきなりコテコテの「ゾンビ映画」を観るのは怖いので、助走というか足がかりとして、評価の高いこのパロディコメディを観てみることにした。

この映画を観たことで、ゾンビ映画に対する免疫が出来たかどうかは甚だ懐疑的だが、しっかりと作り込まれたコメディ映画であることは間違いないと思った。
そして、冒頭に記した通り、パロディ化に関わらず、「ゾンビ映画」そのものにコメディ要素は大いに含まれているのだなということに気付いた。
それは、この映画において、ゾンビ映画における定番的展開が、ほんの少しタイミングや視点を変えただけで可笑しさを連発させることに如実に表れている。
この根底に潜む“可笑しさ”を含めた娯楽性が、ゾンビ映画が世界中で愛される要因なのだろうと思った。

故に今作はゾンビ映画が苦手な者でも充分に楽しめる映画だと思うが、ゾンビ映画が好きな人ならもっと余計に楽しめる映画だと至極当たり前のことを思った。

そして、この映画がただ愉快なコメディ映画で終わっていないのは、映画の面白さが必ずしもゾンビ映画のパロディ的な部分のみによって構築されていないからだ。
ゾンビに汚染される前の日常風景のあちらこちらにもゾンビ映画的な“雰囲気”が表現されているように、普遍的な人間社会そのものに、実はゾンビが蔓延る世界以上の禍々しさが溢れているということをこの映画は伝えてくる。

駄目男の主人公は、突如として放り込まれたゾンビとの死闘を経て、大切な人を失い、同時に何か大切なものを得る……ように描かれる。
しかし、実際は行き着く生活に結局大差は無いというラストには、爽快感や痛快感と共に絶妙なブラックユーモアが溢れている。

“表裏”両面の笑いが散りばめられ、感動もあれば、それらを包括する哲学性すら感じる。色々な観点から楽しみがいのある素晴らしいコメディ映画だ。

 

「ショーン・オブ・ザ・デッド Shaun of the Dead」
2004年【英】
鑑賞環境:DVD
評価:8点

コメント

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