「恋は五・七・五!」

2005☆Brand new Movies

 

いくらこの手の“異種スポ根系青春コメディ”が流行ってるからって“俳句甲子園”は無いでしょう~というのが当初の印象だった。
舞台となる愛媛県松山市で育ち、俳句甲子園のことをある程度認識している者がそうなのだから、その存在自体知らない人たちにとっては殊更そう感じるだろう。

しかーし、実はこの映画、なかなか良い。
そう、劇中で宣言されるように、俳句は“爺婆の戯れ”ではない。俳句は“ポップ”なのだ。
今や世の中は、右を向いても左を向いても“省略化”の時代である。名作文学の粗筋をまとめた本が売れ、何を伝えるにもメールで済ましてしまう時代である。
そんな中において、たった17文字で表現される俳句は、とても現代的感覚に富んだ文化なのだと思う。

とは言っても競われるのは、言葉と言葉の掛け合い。そこにシンクロやジャズ、ロボコンなどのような映画的盛り上がりがあるかというと、正直弱さは目立つ。
でもだからこそ感受性豊かに伝わる高校生たちの “一夏の想い”。それこそ今作の魅力であろう。
「俳句なんて…」と思っている人こそ、面白味が深まる作品かもしれない。

 

「恋は五・七・五!」
2004年【日】
鑑賞環境:映画館
評価:7点

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