「ブラック・サンデー」

2010☆Brand new Movies

 

「名作」と評される往年のハリウッドの娯楽映画には、「物足りなさ」を感じることが多々あり、満足した覚えが少ない。
しかし、この映画には確固たる完成度の高さが見られた。

それは、トマス・ハリスの原作の確かさが大きく影響していると思う。
原作は未読だけれど、展開されるストーリーの端々に並の娯楽映画にはない“深み”があり、各シーンと人物の背景が見えてくる。

テロリストとそれを追う秘密警察それぞれの立場と、各キャラクターの抱える心情を平等に描いているので、追う者と追われる者との関係性に説得力があった。

クライマックスの顛末には少々ご都合主義が含まれていたようにも思うが、巨大な飛行船がスタジアムに突入していくシーンには、娯楽映画史に残り得る迫力があった。

この映画は日本では未公開だったそう。テロリストの攻防において当時の世界情勢が大いに絡んでいることがその理由かもしれないが、もっと広く認知されるべき映画だと思う。

「ブラック・サンデー Black Sunday」
1977年【米】
鑑賞環境:DVD
評価:7点

コメント

タイトルとURLをコピーしました