モノクロの画像の中に、どうしてこうも、色合いのない“コーヒー”の黒と、“煙草”の煙の白が、引き立つのだろう。これが、コーヒーと煙草の魅力なのか?
この映画を観ていると、自分が、コーヒーも煙草も好んでいないことが、とても悔しくなる。
著名な俳優、ミュージシャンたちが、ほとんど本人役で、ただただ何気なくどうでもいいような会話を繰り広げていく。そういう10分そこそこの短編が11本、ひたすら“マイペース”で流れていく。
「なんと退屈な映画」だと、思えるかもしれないが、ちっともそんなことはない。
とても不思議なのだが、苦々しいコーヒーと煙草同様、うわべだけの苦々しいたわいもない会話にどんどん引き込まれていく。
これが、“コーヒー&シガレッツ”の力なのか、と思うと、尚更に羨ましい。
一人二役を何の違和感もなく、演じたケイト・ブランシェットをはじめ、各出演者たちの存在感もそれぞれ抜群で、洒落ている。
この映画は、コーヒーと煙草同様、まさに空いた時間に、何気なく、ゆったりとリラックスして楽しむべき作品だ。
もし嗜好しているのなら、“コーヒー&シガレッツ”を楽しみながら。
「コーヒー&シガレッツ Coffee and Cigarettes」
2003年【米・日・伊】
鑑賞環境:DVD(字幕)
評価:8点
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「コーヒー&シガレッツ」
Screen 05-15 05/06/01 「コーヒー&シガレッツ」 シネセゾン