まどろみは早々に消え失せていた。夜が明け始めた月曜日の早朝、ひとりドタバタと何度興奮したことだろう。
日本のサッカーが世界の頂点に立ったという現実に対して、選手たちと同じようにまだ実感が伴わない。
圧倒的な力を見せつけ希望を打ち砕こうとするアメリカチームに対して、
二度も追いつき、勝利をもぎ取ったなでしこJAPANの偉業を目の当たりにしながら、
「凄い」という言葉を何度も繰り返し、感動を通り越してしばし呆然としてしまった。
正直、サッカーのワールドカップにおいて、日本代表がファイナルに進出したということだけで、「満足」は通り越していた。
その上、チャンピオンを望むなどおこがましいという思いすらあった。
対するアメリカとの力の差は確実にあり、今日の試合においてもワンサイドゲームになってしまう可能性は大いにあったと思う。
実際にキックオフ直後からのアメリカの猛攻で失点していたならば、その可能性は現実になっていたと思う。
しかし、厳しい劣勢をしのぎ、相手のシュートの結末を「不運」に変え、自らのシュートを「幸福」に繋げることができた。
延長戦を終え、「勝利」をかけたPK戦直後に映し出されたのは、なでしこたちの満開の笑顔だった。
最後の最後で勝負を分けたものは、その笑顔に表れた彼女たちの精神力だったと思う。
糸井重里のツイートの表現を引用させてもらうならば、この幸福な結末は、
まさに激戦の中で「一輪咲き残った撫子」の如き美しさと力強さを見ているようだった。
紛れもない“世界一”。本当にえらいものを見せてもらった。
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