なんともはや。4月になってしまった。
2009年も4分の1が経過。すべてが急ピッチに運びそうな予感。
4月1日といえば、エイプリルフール。
「エイプリルフール」と聞くと、同時に「四月バカ」というワードが即座に思い浮かぶのは、“ドラえもんファン”の共通項だと思う。
「四月バカ」を題材にした「ドラえもん」のエピソードで代表的なのは、「帰ってきたドラえもん」をおいて他にない。
その前の回は名作「さようならドラえもん」である。
タイトルの通り、未来の世界へ帰ってしまったドラえもんが、再びのび太の元へ帰ってくる。
あまりに感動的な“別れ”から一転して帰ってくるわけだから、どんな理由をたてても、やはり「無理」が生じそうなものだが、実に巧いエピソード構成で、鮮やかにドラえもんのカムバックを成功させる。
(以下「ドラえもん」第7巻 『帰ってきたドラえもん』より。)
ドラえもんが去って、しょぼくれた日々を過ごすのび太。
そんなとき、「四月バカ」をいいことに、ジャイアンとスネ夫が相次いでのび太を騙し、馬鹿にする。
ジャイアンにいたっては、「ドラえもんが帰ってきた」というのび太にとっては、あまりに残酷なウソをつく。
怒ったのび太は、ドラえもんが未来への帰り際に残した最後の秘密道具のことを思い出す。
箱の中から出てきたのは、「ウソ800(エイトオーオー)」という飲み薬。
飲んでしゃべると、しゃべったことがみんな嘘になるという、「四月バカ」にはぴったりの道具だった。
見事にジャイアンたちへの仕返しに成功するのび太。
気分良く帰路につくが、「ドラえもんがいない」という現実は変わらない。
再び意気消沈し、自らに言い聞かせるように、
「ドラえもんは帰ってこないんだから」、「もう二度と会えないんだから」と呟く。
そうして、自分の部屋のドアを開けると、
そこには、なんとドラえもんが帰ってきていた。
よろこぶドラえもん、おどろくのび太。
「ウソ800」の効き目が残ったまま、「ドラえもんは帰ってこない」と言ったことで、ドラえもんが帰ってきたのだった。
ラストシーン、のび太はドラえもんに抱きつき、泣き笑いながら言う。
「うれしくない。これからまた、ずうっとドラえもんといっしょにくらさない」
実に「ドラえもん」らしい。実に藤子・F・不二雄らしい。実に素晴らしい。
ドラえもん (7) (てんとう虫コミックス) (1975/05) 藤子・F・不二雄 |
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