「リストランテ・パラディーゾ」+「GENTE」

これまで読んだことのない、新しい漫画作家の作品を本やで手に取り、購入して、読んでみるという新規開拓のプロセスは、なかなか勇気が要るし、ワクワクもする。

本屋で何度か手に取りつつ、そのシャレた画風に惹かれつつも、なかなか買うまでにいかなかった作家。
それが、オノ・ナツメ。

新進の漫画作家の作品は、画風や装丁のセンスが良いもの多く、魅力的なのだが、その高いセンスに反してストーリーに深みや説得力がないものも多い。
そういう危惧があったのだけれど、今はどっぷりハマっている。

一番最初に読んだのは、ローマのリストランテにおける人間模様を描いた「リストランテ・パラディーゾ」。

リストランテ・パラディーゾ リストランテ・パラディーゾ
(2006/05/18)
オノ ナツメ

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主人公のクラウディオをはじめとして、登場するキャラクターはヒトクセ、フタクセある眼鏡紳士の従業員たちというシヴイ設定がまずユニークだ。
そして、人生の酸いも甘いも知り尽くしている紳士たちだけに、芳醇なストーリー展開と、ポツリポツリと奏でられるセリフまわしが心地いい。
他人に対して必要以上に干渉しない素っ気なさの中に垣間見える本質的な優しさや慈愛が、しっとりと染み渡る感じ。
たぶんそれは、本当に美味しい料理に対する感覚と似ているのではないだろうか。
魅惑的なリストランテが舞台の作品だけに、とても味わい深い余韻が残るマンガだ。

「リストランテ・パラディーゾ」の外伝シリーズ「GENTE~リストランテの人々~」が連載中。個人的に今「即買い」の漫画の一つ。

GENTE  1 (Fx COMICS) GENTE 1 (Fx COMICS)
(2007/08/28)
オノ・ナツメ

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GENTE2 (Fx COMICS) GENTE2 (Fx COMICS)
(2008/04/17)
オノ ナツメ

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