急に大阪へ行く Vol.1 「宝塚歌劇編」

4月26日午後10時半。僕は大阪行きのフェリーに乗った。

大阪に行く目的は、『宝塚観劇』。初体験。

なぜ急にそういうことになったかというと。

うちの母親と妹は宝塚ファンで、二人が大好きな(ほとんど崇拝的)宙組トップスターの和央ようかという人が今年劇団を退団するということで、そのさよなら公演のチケットを確保することに躍起になり、1ヶ月の公演期間中の3公演分を確保した。先の2回は、母娘二人で喜び勇んで出かけて行ったのだが、3回目の公演日に就職面接が重なってしまい、妹は行けなくなってしまった。

んで、その代わりに僕が行くことになったのだ。

僕は、母親や妹の宝塚に対する熱狂ぶりに、父親と二人で呆れ気味ではあった。(妹は出待ちをして、目当てのスターが目の前を通った際、泣いてしまったらしい)

けれど、僕自身無類の“エンターテイメント好き”であることは疑いのないことであり、それほどまでに長きに渡って人を熱狂させる宝塚歌劇というものがどういうものなのか興味はあった。

まあとにもかくにも、フェリーに揺られながら眠り、最近では在り得ないくらい早朝に起き、久しぶりの満員電車に耐えながら一路「宝塚」へ向かった。

劇場に着くと、分かっちゃいたけどそこは女の園(というかオバサンの園)。男の人もチラホラとはいたけど、もう化粧と香水の臭いで呆然としそうだった。オバサンたちはスゴくて、女性用の化粧室が長蛇の列と見るや、何も臆せず男性用に入って並ぶ始末。僕が入ってきても何も物怖じしない。むしろこっちが用を足しながら恐縮してしまった……。

大劇場内に入り、いよいよ開幕を待つ。「初体験」と言ったが、宝塚歌劇はもちろん、舞台劇そのものをほとんど初めて観るので、その部分でもとても楽しみだった。

そして、3時間--------

スゴイ。それに尽きる。

何においても、「凄い」ものを見ると度々思うことだが、ある方向性に向けて遠慮や妥協なく“とことん”まで突き詰めたものは、それだけでもう「素晴らしい」。

「宝塚歌劇」という特性において、女性だけで演じ、外国の人間と文化を独自にアレンジし、歌劇をもって表現するわけだから、正直言ってそこにリアリティなんてものは存在しない。ストーリー自体はそれほど褒められたものではないかもしれない。

だけれども、実際に“表現”をする「タカラジェンヌ」たちに、負い目などは全くない。あるのは、どこまでも“魅せよう”とする努力に裏打ちされた「自信」「美意識」だけだ。

そのことが、メインを演じるスターたちだけでなく、舞台の端で歌い踊る一人一人の劇団員にまで行き届いている。そのことが何よりも素晴らしいと思った。

“トップスター”というものはもちろん努力の結晶なのだろうけど、そういう端役の人たちも、間違いなく努力しているわけで、それこそドラマだと思う。

<宝塚歌劇 宙組公演「Never Say Goodbye」>

こんなこと言うと失礼かもだが、まあとにかく観て損はない。

今回は座席が後ろの方で、劇団員の表情を双眼鏡で追うしか出来なかったのだが、舞台劇こそ生の表情に魅力があると思うので、もし次の機会があればもう少し前の方で観たいと思う。

うん。ケッコー衝撃的だった。

今は、泣いてしまった妹の気持ちも分からないではないかも。

<宝塚劇場内ホール>

<大劇場入口>


エビ様

この前歌舞伎を観にいった母ちゃんが市川海老蔵のことを急に「エビ様」とか呼んでた。「エビ様の女形が一番キレイやわあ」とか言ってた。

歌舞伎や宝塚を生で観るってことには何かパワーがあるんだろうなあ。西洋かぶれの母ちゃんをそんなふうにさせるような。

そーいや今気づいたけど宝塚は女性だけで演じるけど歌舞伎は男性だけで演じるね。

手塚治虫記念館俺も行きてーな。

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