2020-11

2020☆Brand new Movies

「シカゴ7裁判」映画レビュー “混迷の時代は常に正義を問いただす”

人類史において「正義」というものほど、絶大なパワーを持つ言葉でありながらも、それが指し示す意味と範疇がひどく曖昧で、都合のいい言葉はない。 世界中の誰でもが強い意志を持って掲げられる言葉だからこそ、とてもじゃないが一括にできるものではなく、本来、その是非を裁判なんてもので問えるものではないのだと思う。
スバラシネマex

スバラシネマex「クイーンズ・ギャンビット」“新時代のミューズの眼差しがゲームの膠着を切り開く”

孤独で、破滅的な主人公は、自らの才覚のみを武器にして、この「世界」に立ち向かおうとする。 敗れ、惑い、乱れていく中で、彼女を救い、高みへと押し上げたものが何だったのか。 その“答え”は、アメリカはもとより、現在の世界そのものが求める「理想」だったように感じた。
2020☆Brand new Movies

「クロール -凶暴領域-」映画レビュー “ハリウッドリメイク版「半地下の家族(違う)」”

競泳選手の娘が、ワニと洪水の恐怖の渦を得意の“クロール”で泳ぎ切り、父娘の絆を取り戻す話。 と、この映画のプロットを文面にすると極めて「馬鹿」みたいだけれど、そういう馬鹿馬鹿しさを、大真面目にパニック映画として映し出すことこそが、“B級映画”としての醍醐味だろうと思う。
2020☆Brand new Movies

「もう終わりにしよう。」映画レビュー “甘ったるいアイスクリームのように脳内が溶けていく”

晩秋、39歳になった夜、極めて混濁した映画を観た。 「面白い」「面白くない」の判断基準は一旦脇に置いておいて、この映画が表現しようと試みている人の脳内の“カオス”にただ身をゆだねてみるのも悪くない。と、思えた。
2020☆Brand new Movies

「スパイの妻<劇場版>」映画レビュー “まさしく「お見事です!」、それは間違いないけれど”

正義よりも、平和よりも、彼女にとっては優先されるべき「愛」。 危うく、愚かな時代の中で、それでも貫こうとする狂おしいまでの女の情念は、恐ろしくも、おぞましくもあるが、同時にあらゆる価値観を跳ね除けるかのように光り輝いてもいた。“昭和女優”が憑依したかのような蒼井優という女優に、ただ恍惚とした。
2020☆Brand new Movies

「透明人間」映画レビュー “ジョーカーの原点を古き特撮怪奇SFに見つけたり”

戦争における人間の功罪を、文字通り一身に背負う主人公の孤独と絶望は計り知れない。それでも彼が生き続け、守り続けた希望は、この時代にこの国で製作された映画だからこそ殊更に意義深いテーマだった。
2020☆Brand new Movies

「ザ・フォーリーナー 復讐者」映画レビュー “眠れる成龍を怒らすなかれ”

終始無表情のまま、あまりにも大きな悲しみと怒りを膨らませ爆発させるジャッキー・チェンが、哀しく、怖い。 スパイ映画のスリリングさと、ジャッキー・チェン映画のアクション性が見事に融合した映画世界はとてもエキサイティングだった。
2020☆Brand new Movies

「X-MEN:ダーク・フェニックス」映画レビュー “それはまた別のお話”

時空は常に分岐し、並行世界が幾重にも分かれて存在している。故に、その数の分、「未来」も存在する。という“パラレルワールド”の前提を受け入れた状態で今作を観たので、この映画世界内のX-MENが辿ったグダグダな顛末もまだ許容できた。
2020☆Brand new Movies

「007は二度死ぬ」映画レビュー “そして、偉大な英国人俳優は何度でも甦る”

ショーン・コネリーが亡くなった。 何世代にも渡って世界中の映画ファンを魅了した偉大な名優を偲び、“007”が日本に降り立った今作を初鑑賞。 やはり、日本人としては特に忘れ難き“娯楽”に満ち溢れた快作だった。 ジェームズ・ボンドがそうであるように、ショーン・コネリーも映画世界の中で何度でも僕たちの前に甦る。
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました