この先50年、いや100年、国内において彼以上のスイマーは現れないのではなかろうか。
それは少々大袈裟にも聞こえるけれど、
実際、彼が日本史上最高のスイマーであることは言うまでもなく、
おそらくは最後の真剣勝負の様に、心が震えた。
北島康介の最後の五輪挑戦は叶わなかった。
最後のチャンスにかけて挑んだ200m決勝。
日本のスポーツファンとしては、ラスト5mまで北島康介の「勝利」を待望したけれど、
結果的には最良の花道となったのではないかと思う。
5大会連続の五輪出場となれば、きっと日本中が湧いただろう。
けれど、決して停滞することなく上がり続ける世界のレベルにおいて、
リオ五輪本番での「惨敗」の可能性は正直高かったと思う。
そんな姿は誰も見たくないし、
北島康介はまた後悔を抱えてしまうだろう。
最後の決勝レースで、レジェンドは全力の真剣勝負をして、
敗れて、
若い世代の二人が五輪への切符を勝ち取った。
それは、偉大なスイマーの最後の勝負に相応しい結末だったのだと思う。
コメント