酷暑

朝から蝉の鳴き声が五月蠅かった。

酷暑の中、営業車で走り回った。

ようやく暑さのおさまりを感じ始めて、外回りを終えようとした夕刻、

松田直樹選手の訃報を知った。

スポーツ選手の若すぎる死を知った時、僕はいつも、悲しさに先行して憤りを感じる。

誰にもぶつけられない憤り。

なぜ、そんな理不尽な運命を課せられなければならないのか。

もちろん、誰のどんな「死」であっても、“納得”できるものなどない。

すべてが何かしらの理不尽さを抱えていて、それが「死」というものだということは分かっている。

ただただ言いたい。

それが「運命」だと納得しろと言うのならば、

それを誰が決めているのか知らないが、

あまりに酷いじゃないか。

酷暑の夏の夕時、

この国のサッカーの急激な成長、

その確かな一端を担った素晴らしいサッカー選手の冥福を祈る。

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