いつものように瞬く間に連休は終わりを告げる。
ただこの二日間は、どこかへ行ったとかそういうことはなかったが、個人的には非常に充実していた。
土曜日の夜は、束の間の一人暮らしの家に友人を呼び遅くまで楽しく飲んだ。
いつの間にか眠ってしまっていたらしく、リビングのソファーの上で目覚めると既に朝で、当然ながら友人らは帰っていた。
テーブルの上にあるはずの飲み会の残骸は片付けられていて、「申し訳なかったな~」と思いつつ二度寝した。
正午に差し掛かり、休日の時間が勿体ないと思ったので、出かけることにした。
まだ身体は怠かったので、スポーツクラブに行って運動をする気にはなれず、とりあえず映画を観に行くことにした。
上映スケジュールを確認すると、スタジオジブリの最新作が封切られていた。
“巨匠の息子”の第二弾監督作品は、明らかにプロモーションに力を入れてもらえておらず、自分の中に作品情報が殆ど入っていなかった。
特に期待もしていなかったので、能動的に情報収集もしていなかった。
ただ、物心つくかつかぬかの時分からのジブリファンとしては、やはり観ておくべきだと思った。
映画は、1963年の日本と、そこに息づく人々をとても丁寧に描いていて、予想を遥かに超える素晴らしい作品だった。
まず一つ目の大きな満足感の余韻を堪能しながら、少し遅い昼食を食べ、一旦家に帰った。
本当はそのままスポーツクラブに行くつもりだったけれど、まだ身体の怠さは抜けていなくて、家で昼寝をすることにした。
2時間ほどうたた寝をして、まどろみの中で「ちびまる子ちゃん」と「サザエさん」を見た。
ようやく身体が起きてきたので、19時過ぎにスポーツクラブへ。
2時間かけてゆっくりと汗を流し、コンビニで炭酸水を買って帰った。
前夜の家飲みで、久しぶりに食べた宅配ピザが無性に美味かったので、2夜続けてピザを頼んだ。
ハイボールを飲みながら、一人でMサイズのピザとサラダとサービスで付いてきたポテトフライを食べた。
映画でも観ながらそのまま起きているつもりだったが、想定外の満腹感に群がるように睡魔が襲ってきた。
時間は午前1時過ぎ。午前3時半からは、女子ワールドカップのファイナルを観なければならない。
しばし悩んだ後、寝室から目覚まし時計を持ってきて、午前3時にセットして仮眠をとることにした。
起きられる自信は半々だったが、正直なところ、なでしこジャパンの幸福すぎる結末は観られないだろうと予想していたので、最悪録画でもかまわないと考えていた。
2時間後、幸いにも意外にすっきりと目覚めることができた。
そこから4時間あまり、睡魔がぶりかえすことは当然なかった。
とてもとても幸福な休日の月曜の朝を迎えることができた。
興奮に乗じて、そのまま起きていられるかとも思ったが、結局そうはいかず正午まで眠った。
正午きっかりに無理矢理起きて、愛妻の実家に赴き、午後を愛妻と愛娘と過ごした。
夕方になり、愛妻の実家を出てスポーツクラブへ。
前日と同じように汗を流し、晩ごはんを食べさせてもらうために今度は自分の実家へ赴いた。
両親と晩ごはんを食べながら、なでしこジャパンの「快挙」という言葉ではとても足りない「偉業」について賞賛し合った。
午後11時、ひとり帰宅。
炭酸水が微妙に余っていたので、ハイボールを一杯作り、今朝の「偉業」の録画を観ながら飲んだ。
両チームのゴールシーンとPK戦を早送りしながら観て、改めて「凄い」と声に出して言い、再度興奮した。
楽しい酒を飲み、良い映画を観て、スポーツ史に残るベストシーンに感動して、家族と何気ない時間を過ごした。
僕にとって、これ以上の充実はなかなかない。
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