
サークルKの駐車場の縁石に座り、白い息を立て続けに吐く。
寒い夜に待ちぼうけている。わけではない。
“ブタメン”を食べながら、フゥーフゥー言っている。11月下旬の深夜。
週明けの今日は、早朝から高松まで研修に赴き、出来る限り早めに切り上げて、
平時と同様20時過ぎに仕事を終えた。
急いで帰宅し、悪阻の愛妻を慰めて、近所の居酒屋で飲む友人らと合流した。
「報告」をしつつ、くだらないからこそ実のある与太話を延々と繰り広げた。
突然の、「報告」について祝ってもらうつもりだったが、
予想に反して、昨日の誕生日のプレゼントをもらった。
10年近く彼らと飲んでいるが、こうして誕生日のプレゼントを貰ったのは初めてだと思う。
突然の贈り物に戸惑う反面、さりげなく、ふいに贈り物を贈れる年齢になったのだなあと、
他人事のようにしみじみ思った。
“ぐい呑み”の焼き物と、クセのあるウイスキー。
打ち合わせたわけでもなく、揃いも揃って酒飲みの趣向に合致したプレゼントに、
センスを愛着を感じて、嬉しかった。
そうして、いつものように、友人の妻からのメールを機にお開きにした。

正直なところ、嬉しいことも、辛いことも、満遍なく繰り広げられる。
時に偏りはあるけれど、それが人生だと思う。
幸福と不幸は、決してバランス良くは訪れない。
だからこそ人生は、困難で、興味深いのだと思う。
もし、辛いことの方が多いのならば、
嬉しいことばかりに目を向けて生きていけばいいのだと思う。
ブタメンの“濃い味”のスープをすすり、白い吐息を見ながら、
そういうことを思ったり、思わなかったり。

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