「思ってたんとちがーう!!」 【追記】

M-1グランプリ2008は、大いに盛り上がりに欠けた。

新旧入り交じるファイナリストの顔触れに期待は大きかったのだけれど……。

トップバッターの「ダイアン」は、昨年のネタも決して悪くはなかったし期待していた。
今年のネタも面白かったと思うが、やはりネタ順の悪さが影響してしまったと思う。ただし、順番に左右されるようでは、やはり優勝は出来なかっただろうとも思う。

今年ぱったりと取沙汰されない「笑い飯」が、個人的には不気味で、逆に「本命」だった。
過去の持ちネタをカスタマイズして、それなりに面白い「漫才」に仕上げていたと思うが、やはりネタ順にツキが無かったし、M-1を制するにふさわしい爆発力が無かったと思う。
そして、ファンとしては今年の新作ネタで臨んでほしかった。

決勝初進出組の中では最も”革命”が起こせるかもと期待した「モンスターエンジン」だったが、明らかに緊張してしまって普段の冷静なスタイルが貫けず、雰囲気に馴染めないまま終わってしまった。

「ナイツ」は、1本目のネタとしてはお馴染みの“ヤホー”ネタで問題なかったと思うし、面白かったが、あれだけで2本続けてはM-1を制することは出来ないと思う。

ファイナリストの中で最も力を発揮できていたのは「U字工事」だった。
武器の栃木弁漫才は完成度が高く、彼らの「個性」を充分に発揮できていたと思う。が、2本目は期待できなかったことも事実。

最近のショートショートのネタみせ番組で人気を博している「ザ・パンチ」、そして敗者復活組の「オードリー」らは、明らかにその巷人気で勝ち上がってきた印象を受ける。
両組とも芸人として嫌いではないけど、M-1決勝の舞台で4分間の「漫才」を成立させる力量はないように感じた。
敗者復活勝ち上がりの勢いで優勝に手に届きかけた「オードリー」だが、もし本当に優勝していたら目も当てられなかったと思う。

そして、「キングコング」。個人的な“好み”として、あまり好きな漫才師ではないので、笑い不足なままの終盤での登場で、「これは(優勝を)持っていくかな」と思ったが、予想外のコケっぷりに驚いた。
物凄く稽古はしたのだと思うが、いかんせんネタ自体が面白く無さ過ぎた。昨年のネタであれば、それそこ圧勝だったろうと思う。

「NON STYLE」の優勝は、予想の範疇で、その結果自体に納得はいく。
でも、彼らの決勝での漫才の出来映えは決して良くなかったと思う。
同じネタを見たことあるが、以前に見た時よりもなんだか面白味に欠け、乗り切れていない印象を受けた。
数年前から期待していたコンビだけに、この全体的にクオリティーの低いM-1での優勝は、逆に残念だ。

とにもかくにも、総じて笑い足りないまま終わってしまって、非常にフラストレーションが溜まる結果となった。

思うに、今年大流行りしている各局の「ネタ見せ番組」の氾濫が、「漫才師」の育成を阻んでいるように感じる。
本来“つかみ”であるはずの“一発ギャグ”や“見た目”や“フレーズ”のインパクトだけで評価され、「人気芸人」として担がれてしまう流れが、「漫才」までの発展を止めてしまっていると思う。

もちろん「芸人」が総じて「漫才師」なわけではないし、そういう”一発ギャグ”を売りにしている芸人にとっては問題ないと思うが、このネタの「使い捨て」的な風潮は、お笑いファンにとって決してよろしくないと感じる。

準決勝(及び敗者復活戦)で、「麒麟」、「南海キャンディーズ」、「千鳥」などの実力者が敗退してしまった背景にはそういう影響が多分にあると思う。

んー、重ね重ね不満足。

最後の最後で4位に転落してしまった笑い飯・西田のコメントにすべてが表れていると、思う。

「思ってたんと違うーー!!」

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