あるレンタルビデオ店の話

参加しているコミュニティサイト「mixi」で得た情報なのだけれど。

東京に住んでいた時に、1年間バイトをしていたレンタルビデオ店が閉店してしまったらしい。

その店は、小さな商店街の端にあるとても小さな店だった。

ビデオレンタルの他に、新品・中古のテレビゲームと古漫画も販売していて、店員は、レンタル業務に併せて中古品の買取&値付けなどもしなければならなかった。

昨今の小規模商店街における経営難の例に漏れず、お世辞にも繁盛しているとは言えなかったが、地元住民の顧客が多い店だった。

経営者である社長は、石油関係の某大手企業から脱サラした人で、駅向かいにある支店をまかせている息子と共に、店舗を切り盛りしていた。

その社長は苦労人ということもあり、とてもユニークな良い人だった。僕が「将来は~こういうことがしたい」などという話をすると、とても好感をもって聞いてくれ、自分の経験談からのアドバイスなどをしてくれたことを思い出す。

経営者で雇い主なのに、時々、「御飯代だ」と言って“小遣い”をくれたりした。今考えると、可笑しいし、微笑ましい。

僕が働いたのはほんの1年間だし、それほど愛着があったというわけではないのだけれど。それでも、働いていた店が無くなってしまったというのは、なんだかとても寂しい。

思い返すと、住み始めた頃は“冷ややかな”イメージのせいでとても居心地が悪かった東京という場所に対し、今となってはそれほどに“冷たさ”を感じないのは、やはりそういう何気ない人とのふれあいがあったからだと思う。

駅向かいにある支店は、今も営業を続けているということだ。

たぶん、もうそこは息子に任せて、社長は引退したのだろう。

元気であることを願いたい。

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