2023☆Brand new Movies

スバラシネマReview

「クレイジークルーズ」 “愚にもつかないストーリーテリングの中で唯一輝く宮﨑あおい”

坂元裕二脚本によるNetflix作品ということで、軽妙なロマンス&ミステリーのインフォメーションを見せつつも、きっと一筋縄ではいかないストーリーテリングを見せてくれるのだろうと大いに期待した。
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「ウィッシュ」 “ご都合主義で閉じ込められる歌ウマイケオジ悪王が少々不憫”

「普通」に面白いファンタジー映画だが、ディズニー映画における「普通」は、やはりどうしても“不満足”に寄ってしまうことは否めない。 「100周年記念作品」ということで、新たな時代の節目を迎えた巨大帝国ディズニーの新しい挑戦を感じたかったけれど、ベクトルはむしろ逆方向に向けられており、時にあからさま過ぎるほどに懐古主義的な作品だったなと思う。
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「首」 “人間の欲望と虚無が狂気的に渦巻く可っ笑しい戦国映画”

“可っ笑しい”映画だった。 豪華キャストと巨額を投じて、とことんまで「戦国時代」という時代性と概念をシニカルに馬鹿にし、下世話に表現しつくした北野武らしい映画だったと思う。
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「ザ・キラー」 “思ってたんと違う!一流(?)アサシンの憂鬱と激昂”

何やら高尚な“殺し屋哲学”を主人公は自己暗示のように終始唱え続ける。が、やることなすことちっとも予定通りにいかない一流(?)アサシンの憂鬱と激昂が、上質な映画世界の中で描かれる。
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「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」 “アイデアと可能性の大氾濫に脳内メモリが足りなくなる”

“続編”であることの優位性を活かしたアバンタイトルのシークエンスは、情報量が極めて多く、42歳の中年男性の脳内は早々にメモリ切れを起こしそうになり、情報処理能力が鈍化していたことは否めない。
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「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」 “プレイヤーの「想像」を超えない「創造」と「体験」不足”

ものすごく“真正直”な「スーパーマリオブラザーズ」の映画化だった。 子供から大人まで誰が観ても楽しめるだろうし、ゲーム世界を映画として具現化したそのクオリティそのものは極めて高く、隙がないと言える。 休日の昼下がり、小学3年生の息子と二人観るには、とてもちょうどいい映画だろう。
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「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」 “偉大なヒーローは鼓舞し続ける”

それなりに長く映画を観続けていると、現実世界の俳優の死に伴う喪失感が、映画世界の内外を巻き込んで渦巻くことはままある。 2020年、43歳の若さでこの世を去ったチャドウィック・ボーズマンの死は、近年においてその最も顕著な出来事だったろう。
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「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」 “妻の沈黙と赦しの果ての、愚か過ぎる夫の回答”

200分を超えた物語の終着点で、主人公のアーネスト・バークハートは、劇中最も情けなく、そして力ない表情で、傍らにいたFBI捜査官の方を振り向く。気丈な捜査官も、思わず目を背けてしまうくらいに、主人公のその様とそれに至った妻に対する「回答」は、愚かすぎて目も当てられない。
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「ゴジラ-1.0」 “世界に向けた愛すべき「ゴジラ映画」の最適解”

「恐怖」が、戦後直後の復興途中の東京を蹂躙し、街を“再び”焼き尽くす。 “恐怖の化身”という言葉がそのまま当てはまる大怪獣に対する畏怖の念は、1954年の第1作「ゴジラ」、そして2016年の「シン・ゴジラ」に勝るとも劣らないシリーズ随一のものだったと、まず断言したい。
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「search/#サーチ2」 “Googleアカウントのパスワード変更はこまめにしよう”

インターネット配信による新作映画の視聴がどれだけ普及しようとも、映画は劇場のスクリーンで観るべきで、それが幸福な映画体験をもたらす信じていることに変わりはない。けれど、前作「search サーチ」に続き本シリーズだけは、映画館ではなく自宅で、しかも自室のPCのモニターで鑑賞することが、特異な映画体験をもたらすと思う。
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