アイスクリームの霜

先日の休日、湯上がりのデザートに食べようと思い、

近所のコンビニで、大好きな某メーカーのラムレーズンを買って帰った。

大好きだが、このメーカーのアイスクリームは庶民にとっては高価なので、いつもいつも買えるわけではない。

そんなわけで、風呂から上がるや否や、年甲斐もなく嬉しそうにカップの蓋を開いた。

すると、アイスクリームの表面に“霜”が降りていることがすぐに見てとれた。

このメーカーのアイスクリームに霜が降りていることなんてこれまで見たことがなかったので、

訝しく思いながら一口食べた。

二口、三口と食べ進めると、シャリシャリとしていて明らかに本来の風味が落ちていることが分かった。

愛妻に不満を漏らすと、すぐに「問い合わせるべきだ」と言ってきた。

無類のアイスクリーム好き(餅も好き)の愛妻曰く、

このメーカーのアイスクリームは流通管理が徹底している筈なので普通霜が降りるなんてことがあるわけがなく、

そのことをメーカー自身が誇っていたとのこと。

いつもより美味しくはないが、食べられないわけではないので、

これくらいのことで問い合わせるのもどうかとは思ったが、

傍らにあったカメラで一応商品状態の写真を撮っておいた。

それから三、四日経った今日、そのこともすっかり忘れていたが、カメラの写真の整理をしていて思い出した。

どうかと思ったが、暇だったので、メーカーのお客様相談室へその写真を貼付してメールを送った。

超有名メーカーなので、このような問い合わせは毎日山のように届いているだろうと思う。

メールを送ってはみたものの、スルーされるか、良くても二、三日後に定型的な文面の詫びメールが機械的に返信されてくるのだろうと思っていた。

ところが、メールを送信してから1時間程で返信のメールが届いていた。

内容も決して定型的なものではなく、添付した画像もちゃんと確認した上で、商品の問題に対しての考えられる原因を記した上で、懇切丁寧な詫び文が入っていた。

そして、詳細の商品情報の確認と、直接お詫びを申し上げたいとのことでこちらの連絡先も聞いてきていた。

大企業なので、様々なリスクマネジメントを考慮したマニュアルによるメール返信なのだろうけれど、

とにもかくにもそのスピーディーな対応にはそれだけで誠実さを感じたし、流石だなと思った。

こういった本当に些細なクレームに対するちゃんとした対応を受けると、

不信から一転して信頼性は高まるものだ。

いつもは食べられない高級アイスがいつもの味じゃなかったというショックは地味に大きかったし、

その時は、「もう買わない」とさえ一瞬思ったけれど、

一通のメール対応で「やっぱりまた買おう」と思えた。

自分自身も、曲がりなりにも営業という仕事をしているので、

こういう対応の重要さは分かっていた部分ではあったけれど、

実体験によって改めて勉強になった日常の一コマだった。

コメント

  1. より:

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    アイス好きの奥さん(餅も好き)のアイス知識が素敵。

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