鳥人(とりじん)

さていよいよハミルトン島に着いた……と、ハネムーンのハイライトを記していきたいところだが、

イロイロあるこの時期、そうもいかない。

もはや年末の恒例となった「M-1グランプリ」。今年の王者は、パンクブーブーだった。

恐らく、とても多くのお笑いファンがそうだったと思うが、非常にショッキングな結末だった。

最終決戦を前に、9分9厘とは言わないが、とても高い確率で、笑い飯の勝利は見えていたと思う。

が、まさかの完敗……。

“ショッキング”と言ったのは、結果に不満があるわけではないからだ。

最終的なジャッジは、とても冷静で的確だったと思う。

M-1グランプリという大会の中で、“2本”のネタが一番面白かったのがパンクブーブーだったということに、何の異論もない。

言うまでもないが、笑い飯の敗因は、

漫才史上に残り得る最高のネタが、“1本”しか出来なかったことだ。

M-1挑戦のラストイヤー、この近年今ひとつ決勝でのネタがふるわなかった中で、それでも8年連続の決勝進出を果たした笑い飯は、流石だったと思う。

ただし、やはりここ数年の雰囲気を考えると、優勝は難しいんじゃないかと思っていた。

そこにきて、今日の決勝の一発目のあのネタ。奇蹟的だと思った。

ネタの内容にもふさわしく、まさに人間離れした「神の領域」だと思った。

が、奇蹟を2回続けることは、人間である以上不可能なわけで。

一発目であのネタが出てしまった時点で、結末は決まったのかもしれない。

優勝を信じた者の負け惜しみじゃないが、M-1グランプリという大会で勝てなかったというだけで、笑い飯が「一番面白い漫才をした」という事実は確実なことだ。

M-1グランプリに最も愛され、そしてその王者に最も縁遠かったのが、笑い飯だったのだと思う。

ショッキングなことだが、彼らにとっては、最も“らしい”結末だったのかもしれない。

<2009M-1グランプリ 個人採点(自己満足)>

・ナイツ  85点
・南海キャンディーズ  83点
・東京ダイナマイト  82点
・ハリセンボン  80点
・笑い飯  98点
・ハライチ  88点
・モンスターエンジン  78点
・パンクブーブー  81点
・NON STYLE  85点

一番手のナイツの出来がとても良かったので、全体的に点数は低めだけれど、
総じてレベルが低かった昨年に対して、今年は極めてレベルが高かったと思う。
決勝進出経験組が多かったことと、初進出組の実力が確かだったことがその要因だろう。
さらに、敗者復活戦から昨年王者のNON STYLEが勝ち上がり、個人的には不満だった昨年を上回るキレを見せたことが盛り上がりに華を添えた。
そして何と言っても、笑い飯の渾身のネタ……。
昨年のレベルの低迷で、大会自体の存続に危惧を覚えたが、今年の決勝進出芸人らの完成度の高さによって、その危惧は一掃された。と、思う。

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