夕方、くもり空

帰り道。夕方の空を見上げた。

絵の具の白と黒で薄いグレーをつくって、青を大量に混ぜたような、ぐじゃぐちゃなくもり空がきれいだった。

地方の小さな都市の普段の空だったが、不意にこの空は、世界に続いていると思うと、自然に世界を見たくなった。行きたくなった。

そして、ここから出てみようという気になった。

簡単なもんだ。人を動かすものなんか本当に簡単なものなんだ。

自分の事なのに、まるで他人事のように、自分の心境の変化について考えていた。

「単純な奴だ。本当に。単純なくせに複雑になろうとするから、面倒なことになる。困った奴だ」

寝床に就いて、そんなことを考えた気がする。笑っていたような気がする。

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