人の死

人間が、いわゆるニンゲンという生物の形でなくなってしまう時。

俺は、今日でそれを3回経験したことになる。

自分の身近だった人が、その姿形をこの世から消してしまうということ。

一回目。母方の祖父の時は、ただその事実が物凄く恐ろしかった。

人間が、この前までいた人間が、突然というかあっという間に無くなってしまうという現実が、たまらなく恐怖だった。確かそうだった。

そして二回目。父方の祖父の時、そして今回母方の祖母におけるその「現実」を経験し、「恐怖」そのものは少し薄れた気がする。もちろん「恐怖」が無くなったりはしないが。

それに加えてというか、更に生まれてきた感情。

それは、「寂しさ」だ。

それは、普段の生活の中ではとても感ずることが出来ないであろう、「限りなく無に近い寂しさ」とでも言うべきものだ。

ほんの数日前まで、自分がいる世界と同じところに存在していた人間が、ふとそこからいなくなるという事実。

それは、「死」ということの意味を考えれば、当たり前のことの筈なのに、自分の目の前で起きている現実は、その当たり前を遥かに消し飛ばしてしまうような、まるで異世界の出来事のような、そんな衝撃を受けさせられる。

なんか「死」について考えると、自分の中で思うことはたくさん、たくさんあるのだけれど、自分の中は、まだまだそれら全部を整理できてしまうほど広くないので、ただただ混沌としてしまうばかりだ。

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