Takeru Shiraishi

スバラシネマReview

スバラシネマex「らんまん」“夫婦ふたり、一歩一歩踏みしめた地べたから今日も新しい種が芽吹く”

「この花の名前が知りたい」と、母を亡くしたばかりの少年は心に刻み、ただその一念を貫き通して人生を繰り広げる。主人公と、彼を愛して、彼を支えた人たちの人生と、生きた時代は、決して安閑とした日々ばかりではなかったけれど、その様々な生き様はどれも勇敢で、愛おしい強さに溢れていた。
2023☆Brand new Movies

「チィファの手紙」“中国と日本の境界を越えて表現される岩井俊二のたくらみ”

映画の“リメイク”は、古今東西数多あるけれど、同じ映画監督が「製作国」を違えてリメイクをすることは、実はなかなか珍しい事例なのではないか。どうやら、そもそも同じ物語を別々の国で映画化するという企画だったようだが、岩井俊二監督自身によるその着想は、とてもエモーショナルな映画世界上の多様性を生み出していた。
スバラシネマReview

「ジョン・ウィック:コンセクエンス」“主人公と主演俳優のエキサイティングを超えた異常性”

どんなに馬鹿馬鹿しい描写であろうと、それを“アリ”にしてしまう孤高の娯楽力。それこそが、「ジョン・ウィック」という映画化世界が達した世界観であり、五十路を越えて己の“アクション映画馬鹿”の精神を貫き通したハリウッドスターの矜持であろう。
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スバラシネマReview

「ザ・メニュー」“美食という芸術が孕む狂気と虚無感”

何のために料理をするのか、誰のために料理をするのか。「料理」というものを突き詰めた結果、たどり着くのは果たして、“奉仕”だろうか、“芸術”だろうか。いや、“狂気”だった。
スバラシネマReview

「ゲームの規則」“セレブたちの笑えない狂騒劇は今なお続く”

第二次世界大戦前夜の時代、フランスの“上流階級”の人間たちの愚かさと滑稽さを描いた群像劇は、驚くほどに感情移入することができない。それくらい、彼らの思考と価値観そのものが、我々庶民からは異質であり、遠い位置にあることの表れだろう。
2023☆Brand new Movies

「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」 “10作に渡り貫き通した非現実が、現実を置き去りにする”

えっ!?ええっ!!?えええっっ!!!の連続。それは、このアクション映画シリーズを愛し、この第10作に至るまで堪能してきたファンにのみ許された特典的なエキサイティング性だったかもしれない。
スバラシネマReview

「ハート・オブ・ストーン」 “「意外と面白い」がちょうどいい”

全編通して“二番煎じ”ではあったが、繰り広げられるアクションシーンの質は総じて高かったと思う。そして、何と言っても、我らが“ワンダーウーマン”が、相変わらず強く、美しい。
2023☆Brand new Movies

「地球防衛軍」 “念願の劇場体験がもたらす感慨と後悔”

東宝特撮映画が大好きで、その第一人者である本多猪四郎監督の作品はほぼ観てきた。特技監督の円谷英二と組んだ数々の特撮映画作品は、時代を超えてクリエイティブの真髄を僕たちに見せてくれ、世界中のクリエイターたちに今なお影響を与えて続けている。
スバラシネマReview

「バービー」 “現代社会の浅はかな完璧主義をピンク色の狂気が笑い飛ばす”

小学6年生の娘はブルーやグリーンが好き。小学3年生の息子はピンクやイエローが好き。自分の好きな“色”に対して、子どもたちが違和感を持つことはないし、親の僕自身も好きな色を選べば良いと心から思うけれど、一方で、こうやって敢えて言葉にすること自体が、僕自身が古い価値観を抜け出しきれていない証明なのだろうとも思う。
スバラシネマReview

「逆転のトライアングル」 “どす黒いユーモアが浮かび上がらせる闇”

とどのつまり、人間社会というものは、「格差」とそれに伴う「階層」を取り払うことなんてできない、ということを本作の終着点における虚無感は物語っている。
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