評価:
10点Story
山里に住む若者アシタカは、怒りと憎しみによりタタリ神と化した猪神から呪いをかけられてしまう。呪いを解く術を求めて旅に出るアシタカはやがて、西方の地でタタラの村にたどり着く。 Googleより
Review
宮崎駿の最新作「君たちはどう生きるか」を様々な側面から感慨深く観終えて、何よりも強く感じたことは、彼が生み出してきた過去作に対するリスペクトの再確認と、今一度その作品群を観直していきたいという衝動だった。そこで、極めて“今更”には思えたが、宮﨑駿作品の円盤(Blu-ray)を買い揃えていこうと決め、まず最初にポチったのは「全盛期の作品」と断じて過言ではない本作「もののけ姫」だった。
1997年公開時、もちろん映画館でも鑑賞し、はじめて映画作品のソフト(VHS)を買ったのも本作だった。その後幾度も再鑑賞しているが、今回十数年ぶりの鑑賞となった。映像特典として入っていた1997年当時の予告編やプロモーションムービーを観ると、流石に時代感を感じるけれど、無論本編そのものに対しては色褪せなどは微塵も感じない。
あらためて、“とんでもない映画”だなと感じずにはいられなかった。
自然を淘汰しながら文明を拡大していく人間たちと、自然そのものである古の神々達との闘いの構図は、表面的に見れば、現代社会における自然破壊や環境破壊に対する警鐘と捉えられるが、本作のテーマはそういうことではない。「風の谷のナウシカ」からはじまり、宮﨑駿というクリエイターが描き出し、伝え続けていることは、「自然を大切にしよう」などという浅はかでおこがましいことではなく、すべての「生命」が放ち続ける“業”と“輝き”だ。
神も人間も動物も自然も区別なく、それぞれが生をまっとうする生命体である以上、そこには必ず傲慢と罪が存在し、それでも存在し続けようとするエネルギーこそが“美しさ”であるということ。
「生きろ、そなたは美しい」
というアシタカの台詞には、宮﨑駿がクリエイターとしてひたすらに、ときに狂気的に、追求し続けた生命の美に対する執着と慈愛が満ち溢れている。
Information
タイトル | もののけ姫 PRINCESS MONONOKE |
製作年 | 1997年 |
製作国 | 日本 |
監督 | |
脚本 | |
作画監督 | |
声の出演 | |
鑑賞環境 | Blu-ray |
評価 | 10点 |
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画像引用:https://news.goo.ne.jp/article/bunshun/entertainment/bunshun-64319.html
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