「ブラックアダム」“というよりもほぼザ・ロック”

スバラシネマReview

評価:  7点

Story

5,000年の眠りから目覚めた破壊神ブラックアダム。過去に息子を奪われた復讐心から、その破壊力を現代の人類へと向ける。スーパーヒーロー軍団“JSA”が立ちはだかるのだが…ブラックアダムは人類の脅威となるのか、それとも…!? Filmarksより

映画『ブラックアダム』本予告 2022年12月2日(金)公開
世界74カ国No.1大ヒット!全米3週連続No.1!バットマン、スーパーマンのDCの歴史を変える最恐アンチヒーロー誕生! 5,000年の眠りから蘇った破壊神ブラックアダム。息子の死を復讐心に変え、わが道をゆく全て規格外の男が、ヒーロー軍団までもぶっ飛ばす痛快アクション・エンターテイメント超大作!そして本作品を皮切...

 

Review

DCコミックスきってのダークヒーローに我らがドウェイン・ジョンソンが扮する。
そりゃあハマるに決まっているし、俳優単体の存在感のみを捉えたならば、数多のアメコミヒーロー映画の中でも指折りの「説得力」を示したと言っても過言ではないだろう。
DC精神全開のケレン味に振り切った描写は、スペクタクル性に溢れ、その絶妙なバカさ加減(好物)も含めて、さながらインド映画の超大作を観ているようだった。

ただ、その主演俳優のドハマリぶりの一方で、新鮮味は皆無だったことも否めない。
MCU、DCと、これだけアメコミ映画が飽和状態の中にあって、あまりにもオーソドックスで豪腕ド直球なストーリー展開が、本作のテイストに相応しいことは理解しつつも、やはり退屈だったことは否定できないところ。

マイナス要因だったのは、主演俳優のド直球なハマりぶりに呼応というか、依存するかのように、周辺のキャラ設定や描写までもが、あまりに工夫なくチープだったというところだと思う。
ダークヒーローの一種のバディとなる少年や、その母親で学者のキャラクター性が類型的で魅力に欠けていたり、主人公と共闘するヒーローチームの面々のオリジナリティが弱かったことが、本作の魅力を底上げすることができなかった大きな要因だろう。

「アイアンマン3」でトニー・スタークを救った少年だったり、トム・ホランド版「スパイダーマン」でマリサ・トメイが演じたメイおばさんのような愛すべきキャラクターを登場させることができていたならば、本作自体がもっと愛すべき作品になっていただろう。

MCUのような世界観の完成度は皆無で、その代わりにケレン味あふれる描写で瞬間的な沸点を追求するDCのアプローチは決して嫌いではない。
次作でこのダークヒーローと対峙するのは、スーパーマンか、それともシャザムか。いずれにしてもこの路線をさらに追求する形でエンターテイメントのクオリティーを爆上げしていってもらいたい。

 

「シャザム!」<7点>
「何かラスボス的なこと言ってる?」 子どもをスーパーヒーローにしちゃあいかん。楽しすぎる。 個人的には「シャザム!」というスーパーヒーローの固有名詞すら聞き馴染みが無かったが、DCによるこの新たなアメコミ映画は、映画ファンに…more

 

Information

タイトルブラックアダム BLACK ADAM
製作年2022年
製作国アメリカ
監督
脚本
撮影
出演
鑑賞環境インターネット(U-NEXT・字幕)
評価7点

 

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画像引用:https://www.imdb.com/title/tt6443346/

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