スバラシネマex「舞いあがれ！」“男女6人航空学校物語が同じ世界線だったことを忘れがち”

評価：  6点

Story

向かい風を受けてこそ飛行機は空高く飛べる！　さまざまな困難に翻弄される今、空を見上げて飛ぶことをあきらめないヒロインの物語を通して、明るい未来への希望を届けます！　Filmarksより

Review

長崎県の五島列島に行ったことはないけれど、この朝ドラの第一週を観て「ああ、五島列島に行ってみたい」と思ったし、半年後の最終週を観て改めて「ああ、やっぱり五島列島に行ってみたい」とちゃんと感じさせたこのドラマのあり方は正しかったと思う。

極論を言ってしまえば、最終回で五島列島の美しい島々を映し出す少し高度の低い空撮を成立させるために、本作のストーリーテリングはあったのだと思う。

五島にルーツを持つ実に“朝ドラらしい”ヒロインが、飛行機に憧れ、空に憧れ、浮き、沈み、紆余曲折の人生を経ながら、“空を飛ぶ”という必然に帰着する。
良くも悪くもストレートなドラマであり、面白味にかける愚直なストーリーだった。類型的な描写も多く、決して上手いドラマではなかったと思う。
ただ、主人公が飛行した“高低差”のある軌跡は、愚直に人生の本質と価値を捉えていたと思う。

永作博美、高畑淳子のベテラン女優が演じる母娘の存在感が強すぎて、主人公である“孫”の存在感が薄れる部分もあったけれど、そんなヒロインの終始ぶれない献身性こそが、本作の根幹だったのだろうと思える。

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