「アダムス・ファミリー」映画レビュー “クリスティーナ・リッチのブキミカワイイがたまらない”

スバラシネマReview

評価:  7点

Story

チャールズ・アダムスの人気漫画「アダムスのお化け一家」を原作とした映画化。不気味な屋敷に住むアダムスファミリーのもとに、当主ゴメスの生き別れの兄が現れる。しかし彼は、一家の財産を狙う顧問弁護士が用意した偽物だった。 Filmarksより

 

 

Review

まさかこの映画を観ていなかったとはな。
Netflixのオリジナルシリーズ「ウェンズデー」が面白そうだったので、元ネタである本作を復習しようと思ったら、なんと続編の「アダムス・ファミリー2」だけ観ていて、本作は未鑑賞だったという事実が発覚。
ちょうどクリスマス時期にも相応しいと思い、まさかの初鑑賞。
キャラクター造形も、テーマ曲も、その世界観も、初鑑賞でありながらももはや「懐かしい」映画世界だった。

もっとチープで子供向けのファミリームービーの印象だったが、冒頭からしっかりと作り込まれた美術やカメラワークが秀逸で、想像よりもずっとレベルの高いクオリティを誇る娯楽映画の世界観に引き込まれた。

本作が娯楽映画として世界的人気を得た最大の要因は、何と言ってもファミリーを演じる個性的な俳優陣によるキャラクターにマッチした表現力だろう。
主演のラウル・ジュリアを筆頭に、個性派俳優たちが嬉々として奇妙なキャラクターを演じきっている。

個人的に最も印象的だったのは、やはり“フェスター伯父さん”に扮するクリストファー・ロイド。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズで“ドク”を演じ終えた直後の出演作だけあって、その表情をはじめとするアクトパフォーマンスのそこかしこに“ドク”が垣間見えて、楽しい。

そして何と言っても、クリスティーナ・リッチ演じる“ウェンズデー”の特異なキュートさがたまらない。弟を処刑ごっこの実験台にし続けたり、首がちょん切れた人形を大切にしていたり、学芸会の舞台では大量の血しぶきをぶちまけながら熱演を繰り広げたりと、その言動のすべてが常軌を逸しつつも、ひたすらにブキミでカワイイ。

本作のストーリーそのものは、ベタなコント的なものであり、あってないようなものだけれど、そんなマイナス要因を補って余りある奇怪で愉快な映画世界は、やはり魅力的だ。
30年の時を経て蘇る「ウェンズデー」には、クリスティーナ・リッチも出演するらしい。益々楽しみだ。

 

 

Information

タイトル アダムス・ファミリー THE ADDAMS FAMILY
製作年 1991年
製作国 アメリカ
監督
バリー・ソネンフェルド
脚本
キャロライン・トンプソン
ラリー・ウィルソン
撮影
オーウェン・ロイズマン
出演
ラウル・ジュリア
アンジェリカ・ヒューストン
クリストファー・ロイド
ダン・ヘダヤ
エリザベス・ウィルソン
ジュディス・マリナ
クリスティナ・リッチ
ジミー・ワークマン
鑑賞環境 インターネット(字幕・U-NEXT)
評価 7点

 

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