おヒサシネマ!「ジュラシック・ワールド/炎の王国 」 “原題が指し示す「王国」の真意とその崩落”

スバラシネマReview

評価:  8点

Story

前作でハイブリッド恐竜インドミナス・レックスとT-REXが死闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク<ジュラシック・ワールド>を有するイスラ・ヌブラル島で<火山の大噴火>の予兆が捉えられていた。迫り来る危機的状況の中、人類は噴火すると知りつつも恐竜たちの生死を自然に委ねるか、自らの命を懸け救い出すかの究極の選択を迫られる。そんな中、恐竜行動学のエキスパート、オーウェン(クリス・プラット)はテーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス・ダラス・ハワード)と共に、行動を起こす事を決意。島へ向かったその矢先に火山は大噴火を起こし、生き残りをかけた究極のアドベンチャーが遂に幕を開ける! Filmarksより

 

Review

シリーズ通算5作目(新シリーズ2作目)となる本作が個人的には大好きで、「ジュラシック・パーク」シリーズ全作品の中でも、1位2位を争う優れた娯楽映画だと思っている。

前作で再び恐竜の天下となった島の火山が噴火し、クローンによって現世に蘇った恐竜たちが再び絶滅の危機に際するという基本プロットが、まず興味深い。
それはまさに、かつての恐竜時代の終焉(絶滅)を彷彿とさせる場面であり、そこにまた人類が介入するか否かの論争は、シリーズ全作に通じるテーマ性であろう。
オープニングとエンディングで展開されるその議論シーンにのみ登場し、貫禄たっぷりに持論を展開するマルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)の存在感も光っている。

噴火した島の火山は、無情にも恐竜たちを呑み込み、生きとし生ける物の普遍的な儚さを鮮烈に映し出す。
港湾に取り残されたブラキオサウルスが火焔に吞み込まれ、そのシルエットが悲しき咆哮と共に消失していくシーンは何とも切なく、印象的だった。

日本語タイトルで「炎の王国」と銘打たれたわりには、噴石と共に燃え上がる島の場面は、上記の印象的なシーンと共に早々に切り上げられ、場面は本土の屋敷へと急展開を見せる。
ただ、その急展開による映画的な“転調”も、本作の娯楽性と独創性を高めるストーリーテリングだったと思う。
一見すると唐突な場面転換のようにも見えるけれど、次幕として映し出される資産家の大豪邸の環境は、冒頭のシークエンスでもちゃんとと描かれており、何やら謎めいた屋敷内がどのような構造で、どのような設えになっているかも何気ない描写の中で暗に伝えられ、「伏線」として張り巡らされていた。
そういったセッティングがきちんと機能しているからこそ、古城のような屋敷を舞台にしたゴシックホラー調のスペクタクルが、違和感のない「娯楽」として受け入れられる。

前作よりもより一層禍々しさが増した“人造恐竜”も、屋敷内で人間を襲うに相応しいサイズ感と凶暴性を併せ持ち、ゴシックホラーの場面に合致したモンスター像をクリエイトしていたと思う。

 

ラスト「ようこそ ジュラシック・ワールドへ」というマルコム博士のドヤ顔が溜まらない。

原題「FALLEN KINGDOM(崩壊した王国)」が指し示してものは、火焔に包まれた恐竜島ではなく、「生命」の強い意志によって踏み潰された我々人類の文明そのものだった。

 

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Information

タイトルジュラシック・ワールド/炎の王国 JURASSIC WORLD: FALLEN KINGDOM
製作年2018年
製作国アメリカ
監督
J・A・バヨナ
脚本
デレク・コノリー
コリン・トレヴォロウ
撮影
オスカル・ファウラ
出演
クリス・プラット
ブライス・ダラス・ハワード
ジャスティス・スミス
ダニエラ・ピネダ
ジェフ・ゴールドブラム
B・D・ウォン
ジェームズ・クロムウェル
トビー・ジョーンズ
レイフ・スポール
ジェラルディン・チャップリン
鑑賞環境インターネット(Amazon Prime Video・字幕)
評価8点

 

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