評価:
8点Story
パラセーリング中に遭難した少年を助けるため捜索チームがある島に向かった。しかし、そこはあの恐竜たちが棲息する島のすぐ近くだった。かつて、恐竜の島で恐怖の体験をしたグラント博士(S・ニール)。不本意ながらもチームに同行するハメになった彼の不安は案の定的中し、今までに見たこともない巨大で凶暴な恐竜と対峙することに……。 allcinemaより
Review
公開間近の最新作を除いた「ジュラシックパーク」シリーズの中で、個人的にもっとも好きな作品は、この「Ⅲ」かもしれない。無論、映画史における娯楽大作の傑作は1993年の第一作だと思うが、ふいに何度も観たくなるのは、間違いなく本作だ。
シリーズ第三作目にして、スティーヴン・スピルバーグは監督からは外れ、製作費やプロモーション費も大幅に削られていることは明らかだった。けれど、三度コスタリカ沖の孤島で繰り広げられる恐竜サバイバルの娯楽性を最大限に活かして、一流の娯楽大作として成立させることを早々に諦めて、“B級モンスター映画”に振り切った趣向が大変好ましい。
恐ろしくも少しユーモラスな恐竜の唐突な登場シーンや、ケレン味溢れる登場人物たちの危機回避シーンなど、シリーズ随一の娯楽要素に彩られている。
製作総指揮に退いたスピルバーグのあとを引き継いで監督を担ったのは、ジョー・ジョンストン。
決して世界的に有名な巨匠ではないが、「ミクロキッズ」や「ジュマンジ」、最近ではMCUの「キャプテン・アメリカ」第一作目の監督も務めた娯楽大作に精通したこの職人監督の力量は確かだった。
相互に意思疎通を行うラプトルの知能の高さや、人間による“神の真似事”への批判性、擬似的な親子関係の描写など、原点回帰を図った上で、しっかりと新しい要素も加味した本作のテーマ性は、2015年の新シリーズにしっかりと継承されている。
本作が存在したからこそ、「ジュラシック・パーク」シリーズは、スティーヴン・スピルバーグの二部作で留まることなく、人気シリーズとして「進化」していったのだと思う。


Information
タイトル | ジュラシック・パーク III JURASSIC PARK III |
製作年 | 2001年 |
製作国 | アメリカ |
監督 |
ジョー・ジョンストン
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脚本 |
ピーター・バックマン
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アレクサンダー・ペイン
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ジム・テイラー
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撮影 |
シェリー・ジョンソン
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出演 |
サム・ニール
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ウィリアム・H・メイシー
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ローラ・ダーン
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ティア・レオーニ
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ジョン・ディール
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マイケル・ジェッター
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トレヴァー・モーガン
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アレッサンドロ・ニヴォラ
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テイラー・ニコルズ
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マーク・ハレリック
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鑑賞環境 | インターネット(Amazon Prime Video・字幕) |
評価 | 8点 |
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