老人

取引先での宴会帰りの終電。

イヤホンからは、長渕剛の「RUN」が流れる。

真向かいに、老人が座っている。

出先から頭頂部まで皺だらけ。

よぼよぼ。

齢は、80過ぎてるんじゃないだろうか。

でも、この終電には乗り慣れているよう。

小洒落たシャツに背広を着ている。

まだ現役で何かしらの仕事をしているのだと思う。

背広のサイズはぶかぶかで合っていないようにも見えるが、

おそらくは、

彼そのもののサイズが縮んでしまったのではないか。

当然だが、僕なんかよりも何倍も深く価値ある人生を、生きている、のだと感じる。

涙が出る。

生きなければならないと思う。

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