素面と甲斐性なし

なんとなく理解しているつもりだったけれど、

「素面」の読みと、「甲斐性なし」の意味を、調べた。

自分としては珍しく「成果」が上がり、わりと達成感を携えて帰社。

ただそれが、途端に「評価」に繋がるわけもなく、慢性的な圧力と叱責。

もはや、慣れ親しんだ「日常」だけれど、さすがに少々辛い。

身重の愛妻からの実家に泊まるという報をいいことに、

帰宅してすぐさま本棚から漫画を見繕って、

歩いて3分の、チェーン店の居酒屋へ、衝動的に飛び込む。

ビール、チューハイ、麦焼酎水割り2杯。

気が付けば2時間、一冊の漫画をじっくりと読みながら、一人飲みを嗜んでいた。

本棚から衝動的に手に取っていた漫画は、

渡辺ペコの「東京膜」。

なんでもない人生の、なんでもない日常の、なんでもない一寸を描いた短編集だけれど、

驚く程に、何度読んでも、染み入る。

僕はほんとうに、この人の漫画が好きなんだと思える。

そして、「食べる」「飲む」ということを、さりげなく作中に描き出すこの人の漫画は、

一人飲みに、すこぶる合う。

とりあえず、今夜は、寝て、起きて、明日も生きていけそうだ、と思う。

途中、正確な“読み”と“意味”が知りたくて、iPhoneに頼った。

「しらふ」という読みと、「頼りにならないこと」という意味が、

あまりに身につまされて、思わず笑ってしまった。

東京膜 (クイーンズコミックス) 東京膜 (クイーンズコミックス)
(2006/01/19)
渡辺 ペコ

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