解説者たち

冬季五輪の醍醐味は色々あるだろうが、

その確実な要素の一つは、

感極まる中継解説者の高揚感だと思う。

夏季五輪でも同様だが、冬季五輪では特に強化費が恵まれないマイナースポーツが多い。

中継を担当する解説者の多くも、そんな競技環境の中に身を置いている人が殆どなわけで、

そんな中での日本人選手の勝利と敗北には、選手らと同様に一喜一憂せずにはいられないのだろう。

昨日は、ノルディックスキー複合個人(NH)で渡部暁斗が、20年ぶりに日本にメダルをもたらした。

この快挙において、ある意味それを成した渡部暁斗本人よりも印象深かったのが、“荻原兄弟”である。

かつて“キング・オブ・スキー”の名を欲しいままにした兄・荻原健司は中継解説で絶叫し、弟・荻原次晴は国内の生放送で号泣した。

この種目が「日本のお家芸」と称されていた時代に、

日本を牽引した彼らもまた長い長い不振の期間を「当事者」として耐えてきたのだろう。

そういった解説者たちの感情の吐露は、時に選手たちのパフォーマンス以上に感動を呼ぶ。

そんなときは解説なんてないがしろにしてもらって大いに結構。

早くもソチ五輪も後半戦に入ろうとしている。

日本人解説者の絶叫と涙声をもっと聞きたい。

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