冬季五輪過去3大会において、おそらく殆どの日本人は、
開会式直後に同様の悔しさを感じてきただろう。
残念ながら、結果的には今大会においてもその悔しさは繰り返された。
女子モーグル決勝。上村愛子、4位。
“渾身”の4位。
過去のどの大会よりも“悔しさ”は大きかった。
採点競技ならではの悲運な結末に、憤りを覚えた日本人は少なくあるまい。
6人で行われる最終決勝に勝ち残った上村愛子は、
過去のどの大会よりもメダルに肉薄したことは言うまでもない。
殆ど手中にしていたと言って良い。
どの選手よりもアグレッシブで高度な滑りは素晴らしかった。
たらればは意味がないが、もし準決勝が6位通過でなく決勝の滑走順が1番手でなければ……。
いろいろと悔しい思いは残るけれど、
競技後の彼女の清々しさに溢れた笑顔と言葉に救われた。
NHKのベテランアナウンサーの工藤三郎アナが、直後の中継でとても良いことを言っていた。
上村愛子は五輪のメダル獲得という価値超越した世界に辿り着いたのだと思う。
それはアスリートにとって高尚で幸福な境地なのだと思う。
この日本が誇るスキーヤーが、いつか世界の頂点に立つ選手を育て上げて五輪に帰ってくるのは、
そう遠くない未来のことように思う。
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